かすみ荘 - 雑文:歌がわからない
[もどりゅ]

011. 【歌がわからない】 (2000.12.15)

・かすみは20代の女性であり、同じく20代女性の妹がいる。先ごろ妹が綱島街道にある某カラオケ店のVIPである事が判明した。VIPである。かすみは英語がとんとわからぬので、元がどの様な英語かはわからぬがスペシャルに近いと思っている。学生さんの頃、ロッテがVIPチョコレートを北海道で先行発売し、修学旅行時に我が高校の3年500名ほどがこぞって購入(一人平均5〜10枚)し、札幌のコンビニや商店のVIPチョコが軒並み売り切れるという事件が生じたが、このVIPはびっぷではなくぶいあいぴいだったと記憶している。もちろんこの話は全く今回の事とは関係ない。なんとなく思い出しただけである。

・とにかくカラオケ店から我が妹君に葉書が来たのである。勝手に葉書の内容を確認した所、日頃の会員の皆様のご愛顧に感謝をするらしい。家族とは言え勝手に人様宛ての葉書を見るなど言語道断などという向きもあるしかしながら葉書には文章の保護、プライバシーの侵害は認められないと当局が判断している。なので、引っ越しました葉書は他人に住所を知られても仕方が無いという判決も出かねないらしい。新妻を狙うストーカーにとって大変重要アイテムといえよう。もちろんこの話も全く今回の事とは関係ない。

・カラオケ。現代社会に根づく娯楽の殿堂、紳士の社交場、あ、これはパチンコ店か。最近では素人とは到底思えない力量をもった素人がざくざくいるらしい。とはいえ昔から玄人とは思えない玄人もざくざくといたが。現代病としてカラオケのやりすぎでポリープが出来る人も多いという。予防には、一曲歌ったら休むとか、絶叫は控えるという事らしいのだが、これはマナーなのではないだろうか?何人かで行ってマイクを独占する輩は下衆といわれてもおかしくないとかすみは認識している。ので、かすみの知合いや職場にも、普段は良い人だがカラオケ下衆がいる。まして絶叫をするとはどの様な心境なのであろうか。友人が失恋した時は中島みゆきを熱っぽく歌っていたが、絶叫はしていなかった。ストレス発散で叫ぶのであれば、他人が難聴になろうがかまわないとでもいう輩がいるのだろうか?

・かすみは歌うのが嫌いではない。むしろ好きな人間なのだが、カラオケは年に数回しか行かない。学生の頃は週に1回ほど行っていたが、休みにわざわざ高い休日料金を払って行くのも面倒だし、まして夜にまたされてまで歌うのもなあと思ってしまう。

・妹君はカラオケの為にTUTAYAにてNEWリリースのシングルCDをレンタルし、MDにコピー、室内で何度も歌うという鍛練を行っている。隣室のかすみにも歌詞がはっきりわかる大きさで歌う。かすみの聴力がかなり良いのを差し引いてもなかなかの声量で、下手ではないようだ。しかしながら、これではお隣のM家にも彼女の歌声はしっかり届いているに違いない。申し訳ないがM家の人々よ、妹君を許してやっていただきたい。店に入ったら否応無しに聞かされるBGMレベルだとでも思い、聞き流していただければ幸いかと思う。

・そんな流行歌(うーみゅ、古い)ががすがすと流れて来るので、自然にメロディーラインを覚える事も多々あるのだが、誰が歌っているのかわからない。自分からCDを購入しようとも思わないし、借りようとも思わない。ましてや音楽番組など見ない。その為に誰が歌っているのかもわからないし、今何というシンガーが流行っているかもわからない。とりあえず聞いた事のあるシンガーの名を使って妹君と交流を図ろうかと思い、彼女の部屋を訪ねた。

「ふうちゃん、これって浜崎あゆみってやつ?それとも小柳ゆき?」

「はあぁ??」

・妹君は狐につままれたやうな顔をした。それも全身つままれたのではないかと思われる様な顔である。

「かすみちゃん、全然違う。ってゆうか、その二人自体全然違うし」

・そうか、やはりそうか。二人の顔だって知らないからなぁ。小柳ルミの顔ならわかるよってべたべたやーん。

・かすみは今日も歌がわからない。誰が歌っていようがかすみの中で歌うシンガーは妹君ふうちゃんだけである。ふうちゃんだけがかすみに最新曲を届けてくれる存在である。そんなかすみの得意な歌はぎゃらくしーえくすぷれす999だ。

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