かすみ荘 - 雑文:チョコレートと借金
[もどりゅ]

018. 【チョコレートと借金】 (2001.02.14)

・バレンタインデーである。身内で雑学クィーンの異名を持つかすみとしては、何故バレンタインにはチョコレートなのかをまず、語らねばなるまい。

・第二次世界大戦の後、戦後の日本は貧しかった。実際のところ、アメリカに全面降伏をし、民衆の大半は仮設バラックなどに住んでいた。そんな中、進駐軍に所属するバレンタイン少佐が、飢えに耐え労働する子供達にチョコレートを初めとする嗜好品や、食料を私財を切り崩して提供した。戦後、バレンタイン少佐の誕生日をバレンタインデーとして記念日にしたのである。

・うそである。以上の話をして、ぎぶみぃちょこれいとと唱えると何処からかちょこれいとがもらえると?とさか先輩?が言っていただけである。真実は聖バレンティヌスから来ているのはゆわずともがな、なのである。

・過去の話である。仮にA嬢としておこう。やつとは中学からの付き合いで、今は没交渉である。友人でも何でもない。今は。まあ、色々あったのだ。ともかく、A嬢はバレンタインを目前に目の色を変えていた。大好きな先輩にチョコレートを渡し、彼のハートをゲットすべく、燃えまくっていた。で、かすみの家にやって来た。チョコレートケーキを作ると言うのだ。で、数時間の格闘が強制終了したのである。これ以上、破壊の限りを尽くされても困るのである。かすみの家の台所であり、かすみが母親に怒られてしまうのだ。

「買った方がいいよ。それとも私が作ろうか?」

・かすみの言葉に、A嬢は首を振った。そしてバレンタインデーの当日、A嬢は晴れやかな表情で待ち合わせ場所にやって来た。見事、先輩にチョコを受け取ってもらえたのだそうで、ご機嫌である。延々と先輩の話を微細に聞かされ、こちとら当時の思い人、真さん(故人)にケーキを受け取ってもらえなかったというのに、A嬢は聞く耳持たずに話し続けた。で、話が一段落付くと、A嬢は、

「お金貸してくれない」

と、のたまったのである。A嬢曰く、先輩にゴディバのチョコレートをあげたんだそうな。知らない方もいらっしゃるだろうからちょいと説明させていただこう。本店はベルギー、チョコを作って75年。チョコの基本定冠詞ベルギー王室御用達はもちろん、生意気な値段で世界に君臨する、ブランドチョコレート店がゴディバなのだ。トリュフのお値段が200円から。これは一粒のお値段である。かすみですら月に5粒くらいしか食べないチョコ。そんで、人にあげるくらいなら自分で食うわいと思うチョコ。(実際自分で食べる用しか買った事が無い。分けてあげる時もかなり恩を着せる)

・で、A嬢が購入したのが5千円のチョコレート。ここに今年のパンフがある。五千円だとゴディバ・デラックス20粒入りとなっている。A嬢の当時の月の収入はお小遣いのみの一万円。かすみはアンミラバイト代+お小遣いで10万超えていたので、まあ、言われるのはわからないでもない。だったらバイトしなよなどというバトルは日々行われていたが結局A嬢はしなかったし、いやいやながらもかすみは何故か一万円あげる破目になった。(色々と金が無いと騒ぐので)

・そしてA嬢は見事に振られた。けちょんけちょんに振られた。先輩にチョコ代返してもらうぅと息巻いていた。でも、それは言えなかった。そしてかすみに一万円返してくれていない。

・バレンタインの季節になると思い出す。絶縁したわがままで、みえっぱりで、プライドの高いA嬢と、彼女に貸した総額10万を超える借金を。人生経験といえない事はないが、こんな経験は二度としたくないと決意を新たにしながら・・・。

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