かすみ荘 - 雑文:真ん中普及委員会
[もどりゅ]

047. 【真ん中普及委員会】 (2001.04.02)



・真ん中、中庸、センター、中央。潔さを感じる位置である。自信に溢れた位置である。位置であるが、なぜか人は端から自分の位置取りをしている様な気がする。例えば電車に乗った時は端の席が先ず埋まり、三個のボタンがあれば主に左右どちらかが押され、遊園地の窓口が多数あり全てが開いていれば端が利用される。かすみの偏見なのか、それとも誰かがかすみに誤解を植え付けようと組織的に左右を優先させて見せているのでなければ、やはり端の方が好まれる様だ。

・これでは真ん中が可哀想ではないか、と既知外友達の桂ちゃんが言い出した。このままでは電車のシートは端からへたれてしまうし、ボタンも端から故障するし、遊園地のお姉さんの労働が偏ってしまう、と息巻いている。とにかく気になるというので、ここに真ん中普及委員会を設置してみた。

・真ん中普及委員会では日常の生活からして、真ん中を実践していき、それを見ている一般の方にも嗚呼真ん中って素晴らしいと感銘を与えるという寸法なのだが、ちょいと無理がある様に思えてならない。とはいえ委員長は桂ちゃんなので、一委員であるかすみの意見は通らないので、作戦を実行するのみであった。

・始発電車に乗るとがらーんとシートが開いている。端っこのシートがおいでおいでをしているかの様な幻聴に襲われるが、それを振り切って真ん中に座る。東急線のシートは通常真ん中より半分ずらしてシートの継ぎ目があるのだ。つまり真ん中に座る時に、継ぎ目を避けようとすれば、必然的に完全な真ん中に座る事になる。シートは七人掛けであるから、六人で座ろうとする不埒者を無くそうとするちょっとした工夫なのだな。ここでかすみが真ん中に座る事により、確実に七人掛けが出来る様になったのだ、すごいぞ真ん中、ブラボー真ん中、ハラショー真ん中、マンセー真ん中。

・しかしながら真ん中普及委員会はその後、空中分解したのである。何の事は無いが、かすみが人と接触するのが苦手だからでもあり、左が大好きだからであり、そんなに色々な自信も無いからであり、使われなくてはいやだとは思っていないからでもあり、続けられない要因が重なってしまったからなのだが、桂ちゃんは委員長の座を降りないと騒いでいた。ので、一人だけの委員会になってしまった様だ。

・考えてみるに、かすみは左大好きなのであり、はさみも包丁も裁縫も庭球も左で行っているし、重い荷物は右で持つくらい左を優遇しているのだから、はいる委員会を間違えてしまったに違いない。入らねば、左優遇普及委員会に・・・。

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