かすみ荘 - 雑文:従姉でおじさん
[もどりゅ]

053. 【従兄でおじさん】 (2001.04.09)



・かすみの母は七人兄弟なのだけれど、実際は長男次男が子供の頃亡くなっているので五人兄弟になっている。五人の内三人が3人ずつの子供を持ち、一人が2人の子供を持ち、一人が1人の子供を持っている。血の繋がった従姉だけで12人である。まぁ、昔はそれほど珍しく無いのだけれど、かすみの感覚からすれば多すぎるので正直な所、従姉の名前を今だに全員言えず、上下関係を把握していない。さらに、それだけならいざ知らず、5人結婚しているのだけどその相手の名前など覚えようという気すら無い。さらにさらにそこに子供がいて・・・。

・それはそれとして、母の実家は地主なのでお金持ちなのだったりする。川崎にある某マイナー遊園地の敷地も三分の一は母の実家が格安で貸してるんだか何だかしているらしい。マイナーであれ遊園地の敷地である。広いもんだ。かすみの家など外部では沙羅家御殿などとかすみはのたまっているが、敷地が50坪である。一応かすみの家の近辺では広い方なのだが、所詮おばあちゃんちから見れば、車庫と同じ敷地だ、などと言われる始末。掃除するには楽だけどね。

・で、だ、金持ちというのは相続という問題が付いて廻る様だ。かすみなんて相続するものが殆ど皆無だぞ。狙っているのは母が集めているウエッジウッドと、父が集めている茶碗、まぁそこそこの金目のものではあるが、所詮そんなもんである。しかしながら母の実家は違うのだ。億単位の相続税を払わねばならない。日本というのは相続税がスライド式になっており、たくさん相続すればたくさん税金を払わねばならない。金額によっては70%というのを法律の本で見た時、おいおい許してやれよぉ、と金持ちの心配までしちゃったかすみだったりする。だってさ、いきなり70%って泥棒もびっくりでしょ。泥棒だったらかくしてある分は見付けられないかも知れない、銀行に入っている分は手が出せないかも知れない、不動産には手が出せない、けど、税金ともなるとぴっちし収支を確認して、不動産まで頭に入れて、そんでもって払え、と来る。払わなければ滞納金を増して来るし、税務署の人がやって来るし(税務署の人は仕事なのでそれは大変だと思うけど)、ちゃんと出さないと追徴金なるものまで取られてしまうのだ。

・だってさー、一生懸命働いてさ、神経すり減らしてチャンスを掴んでさ、そんでもって誰かの為にとかって貯金してさ、そんでああ、これで安心して死ねる、とか思ってご臨終ってなった後に、がんばって働いたお金、いきなり70%持ってかれちゃうんだよ。競馬の寺銭25%で諸外国から群を抜いて高いって言われるのに、煙草だってそんなもんだよ。その3倍。農家は田畑売らないと払えないというのは事実なのだ。

・だもんで、何とかその税金を減らせないもんかと画策するのは基本の基本らしい。で、母の実家の長男は、おばあちゃんの養子になったのでした。という訳で、この従兄はかすみにとって従兄であるけれどおじさんという奇妙な関係になりました。でも、彼の兄弟はもっと変だね。姉だけど姪。弟だけど甥。

・さてさて、そんな従兄もお年頃。今だに彼女も出来ないで、あっというまに早三十路。ああそれだからそれだから、向こうよこちょ(横丁)のお稲荷さんに、さい銭拾って願懸けました。我と来て、遊べや彼氏の無い乙女。って痴楽師匠の七五調を盗作している場合じゃないですな。とにかく結婚ーと周囲に言われているらしい。そんでもって、この際従兄妹同士でもいいよねぇ、とかいう話が出て、結婚してない一番近い歳は誰だってなって、かすみだってんでどうだい、デートに行ってみないかい?というお誘いがござんした。断ったけど。だって従兄だよ、いいとこお兄さんと思ってたし、ねぇ。で、向こうも、

「えー、かすみちゃんー?そうゆー風にはなー、はははー」

とかゆってたらしいし。笑うなよ、ちょびっと哀しいから。うみゅう、一応玉の輿を逃したのかも知れないが、ま、トラクターの免許を持った農家の従兄の奥さんは到底イメージ出来なかったから残念じゃないです。ってゆうか、他家との面倒くさいしがらみの無い所に行きたいな、と思うんですね。やっぱり。

・友達でも紹介しようかなぁ。農家で働くのを希望する健康な女性。不動産あります、苦労するかも知れません。付き合い、めさめさあります。農協の寄り合いに興味のある方、トラクターを運転したい方、法事などで裏方として大活躍してみたい女性。委細面談。そんなふうに・・・。

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