かすみ荘 - 雑文:兄ちゃんの支店出現
[もどりゅ]

054. 【兄ちゃんの支店出現】 (2001.04.17)



・横浜、といえば何だろう。名物が多すぎる為に何という事は出来ないのではないだろうか。試しに幼なじみに聞いてみると、中華街、山下公園、港の見える丘公園、フランス山、赤レンガ倉庫、みなとみらい、大仏次郎記念館などという答えが返ってきた。うみゅう、さすがにずっと住んでいる者達である。みなとみらい以外は生まれる前からあるものばかりだ。に、しても最後の大仏次郎記念館は市民でも知らない人の方が多いのではないだろうか。次に、地元以外の友達に聞いてみると、中華街、ランドマークタワー、ラーメン博物館、カレー博物館、でかい観覧車(正式名称はコスモクロック)などという答えが返ってきた。

・ま、それはそれとして、新名物サイドに上げられたラーメン博物館、通称ラ博に行った。かすみの生息地と同区内にあるそれには、気が向いた時にわざわざ入館料を払って行っている。最近オープンしたカレーの方は只であるのに、こちらは三百円も入場料を取る。その為、ひょいひょいと行く訳では無いのだが、普段は食べられないご当地ラーメンが出ている時などは行く様にしている。所在地は新横浜である。新横浜といえば、新幹線のこだまが停まる駅であり、地元学生が新幹線で修学旅行に行く時の集合場所であり、横浜アリーナがある場所であり、競技場もある場所である。駅前にはオシャレなオフィスビルが立ち並んで入るが、実際はちょっと歩くともう横浜の田舎である。

・その日はやたらと駅が混んでいた。歩きしなに耳に入れた情報によると、コンサートの第一部が終了したらしい、券を買ってくれるらしい、モー娘があるらしい、サッカーがあるらしい。さらには向こうから歩いてくる人々がミニモニとやらのポスターやら、女性の写真の入ったうちわやらを持っている。芸能界にはとんとうといのだが、みにもにとやらにはココナッツ娘。とやらが混入していると妹に教えてもらった。だとするとみにもにではなく、みにもにここではないだろうか。

・嫌な予感がする。おりしも丁度第一部が終了したのである。コンサートというものを経験した事が無いのだが、どうやらエネルギーを使うものらしい。さするればお腹も減るだろう。ほてほてと博物館に向かうと、やはり混雑していた。目的は藤沢に店を構える支那そば屋である。テレビでも見ている店主に会いたい、そしてあわよくば「お姉さん、うちは汁(つゆ)まで全部飲んでもらわないと」などと言われてみたい。ところが、その日は異様に足が痛かった。前日、こむらがえりを二回ほど起こしたからやも知れぬが、到底長時間の直立には耐えられそうも無かったのである。そういう状況であるからして、目的の店が一時間から九十分待ち、などとされては諦めるしかなかったのである。

・さて、別に今回ラ博の事を書くつもりはなかったのです。激しく長い導入です。この雑文の中で時の流れに合わせて書いてきた、たこやき屋の話を書くのです。それが主文なのです。そう、新横浜の街をほてほてと歩いていたら、発見してしまったのです、たこやき屋を、的屋の兄ちゃんの。いつもいつも見ていたのれんというか垂れ幕というか、かすみの最寄り駅名が書かれた布のかかった的屋。ちゃんといつもの文字で美味いたこやき、マヨネーズありますと書いてあります。つまり、本日はここで商いをする事にした様なのです。

・さてさて、ラーメンを食べられずにラ博内のバーで一杯飲んで(しかもかすみはバナナジュース)、尻尾を巻いて帰路に着いた。最寄り駅で下車し、てぽてぽと階段を降りると、

こ、こりは胡麻油のかほりでは?

的屋のたこやきは胡麻油を使用しているのである。しかしながら先ほど新横浜で的屋を見たではないか。だとすれば、この胡麻油の香りは何処の店が発しているのであろうか。

「ありゃ?」

・なんと、同じ店がある。そう、お兄ちゃん達は的屋ながらにチェーン展開していたのだ。そういえば、店員(?)がやたらと多い時もあるし、こないだなんか4人で店をやってて、さらに外にお友達らしき人々が4人くらいいたもんな。

・的屋とはいえ支店出店するとはなかなか侮りがたい事である。不況の時代、技術職は強い、仲間は大切などという事を教えてくれる様な話だねぇ、と思ったりした。もしかして、かすみが知らないだけで、支店が各駅前にあるのかも知れない。

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