かすみ荘 - 雑文:アルコールの罪
[もどりゅ]

065. 【アルコールの罪】 (2001.05.18)



・かすみは下戸である。下戸というのは今時はあまり使わないが、酒の飲めない人間の事を指す単語であり、げこげこ鳴いている訳ではない。げこげこ言うのはカエルにでも任せておけば良いのだ。

・今よりちょびっと若い頃、アルコールを飲むという雰囲気が好きなのと、アルコールが好きなのをはきちがえており、しゃれにならない程の大量のアルコールを摂取し、ご機嫌で帰宅するも母が出してくれた迎えの車の窓から走行中景気良くリバースし、後ろのタクシーを引かせた事がある。

・という様な事を言うと「下戸じゃないよ」と言われるのであるが、今は下戸になってしまったというのが正解だったりする。風邪をこじらせた時に、喘息の発作が出てしまい、もともとアレルギー体質であった体(小児喘息、喘息、アトピー、花粉症持ち)がアルコールも駄目だという入力を受け付けてしまったらしく、今飲むともれなく貧血を起こし吐くというていたらくなのである。

・で、素直にそういうと「大丈夫だよ、介抱してあげるから」などと皆さんおっしゃって下さるのだけれど、それは嘘なのである。そう言ってくれる友達が酒に呑まれてべろべろになり、「かすみちゃぁぁぁぁぁぁん、送っていてぇぇぇぇぇぇ」などとのたまったり、かぽかぽ飲みまくり、「かすみちゃぁぁぁぁぁん、お金足りなぁい、借してぇ」などとのたまったり、「気持ち悪ぅい、助けてぇぇぇぇぇ」などと救助を求めてきたりするのである。さすがに職場の男性はそこまで言わないが、冷静に考えて、かすみの家は駅から2キロも離れており、送ってもらったとするとその相手が帰れなくなり、公園で野宿という結末が待っている。どうせ本心から送ってくれるなどとは考えていないだろうし、タクシー代をくれたとしても、気持ち悪くなれば車内か窓の外にリバースするのだから、莫大な休業保障をかすみが払わねばならない。どこをどうしてもハズレくじしか入っていないくじ引きの様なものだ。

・宴席って言葉と酒宴って言葉があるのだから、忘年会とか新年会とか歓迎会とか、会の名前なんてどうでも良いから宴席って事でまとめて欲しい。宴席は読んで字の通り宴、なのだから飲めない、飲みたくない人は飲まなくても構わないし、飲みたい人は飲みたいだけ飲めば良い。理想としてはそういう宴席に出たいのだけれど、巡り合わせが良くないのか、はたまた環境の問題なのか、飲んで呑まれて的な宴会の方が多い。

・時々いらっしゃるのだけれど、俺の酒が飲めないのか?などとほざきやがる方がいらっしゃる。ふざけているのならいざ知らず、本気で俺の酌を拒むやつは許さないぜ、と思っているやつは自分の事を買い被りすぎているか、ちょっと妄想系であるか、それなりの地位はあるが人に嫌われているかのどれかにあてはまるに違いない。また、飲めないに決まってるだろ、などとぶち切れた若者に刺される可能性もあるので、どうしても俺の酌を押付けたいのなら防弾チョッキを着るなり、防刃スーツを着るなり、無敵な武道を習得し反撃が出来る様な状態になってから言った方がいいのではないかと、僭越ながら思う次第でございます。

・かすみは大人なので俺の酌に対しては「飲めない」と答え、俺の酒に対しては「今日のお酒は全部貴方のおごりなんですか」と答える事にしている。俺の酌などは欲しくないし、まして俺の酒なんて言われたら、ああ、なんて大風呂敷を広げたがる人間なんだろう、と思ってしまうのだ。だいたいねぇ、こういうやつに限って激しく破目を外したり、無礼講うんぬんとか言い出して素面ならまず出来ない事をやりだしたりする。酔わないと本心を言わないのではないか?相手も酔わないと自分ばかり余計な事を言ってしまうのではないか?そういった恐怖もあるのだろうけれど、だとしたら余りにも幼稚だ。

・日本人は酒宴、酒の席ではかなり寛容だと思う。酔っ払いが千鳥足でふらふらと夜の繁華街を歩いて通行の邪魔をしたり、殆ど公共の場と言って良い電車のホームでリバースしたり、店のグラスを2,3個割ったりしても、酔っ払いは仕方ないなぁ、で済んでしまう。あまつさえ、酒の失敗はちょっとした笑いのネタにしたり、こんなに飲めるという自慢にもなっているようだ。かすみはそんな恥かしいのは嫌だし、最初の方に書いた車窓リバース事件も二度と起こさない気構えでいる。まして言われるままに断る事も出来ず、べろべろに酔う様な人間はそういう人だというレッテルを貼ってしまう。失礼ではあるがそう考えているので仕方が無い。もちろん見ていて楽しい時もある。自分が話題提供者になる気はさらさら無いけれど。

・アルコールがそうさせるんだ、と言う人もいる。アルコールに罪はあるのだろうか。飲む人の問題なのだと思うのだけれどそう言えるほどは飲んでいない自分。とはいえ、アルコールがらみの事件は枚挙を問わない。道路標識に登っている人、横断歩道で寝転ぶ人、公園のごみ箱を破壊する人、電車の中で気分の悪くなるようなアルコール臭を振りまいている人、他人に絡む人、適度にほどほどに気分良く、と出来ない人に罪があるのではないかと思うのだ。だからこの間部長にしつこく飲めといわれて腹が立ち、力の限りの裏拳を入れたのはかすみの中では問題なし、なのだよ。ね、部長。今度言ったらぐーぱんちです。

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