かすみ荘 - 雑文:宗教は2度、チャイムを鳴らす・二度目
[もどりゅ]

075. 【宗教は2度、チャイムを鳴らす・二度目】 (2001.06.08)



◇うららかな土曜日の午後、留守番という重大任務をまかされ、我が家の私設わんわん警備隊と一緒に、午前中に壮年のおばさま2名を退却させたかすみである。昼も過ぎたので、簡単に出来る昼ご飯を作って食べていた。この作った昼ご飯は、あちき以外は決して食べようとしない。簡単手軽なつぶつぶコーンクリームスープ春雨である。これだけでは蛋白質が足りないので、うでたソーセージも入っている。ぜひ一度試していただきたい。味覚破壊されているようであれば美味しくいただける筈である。

◇そんな和み空間で、ソーセージの匂いをかぎつけたのかわんわん警備隊が奇麗なお座りをしてあちきにおねだりをして、見事ソーセージを手中に収めたりしているところで、

ぴんぽーーーん

?わんわんわんわんわんわんわんわんわんわんわん?

?わんわんわんわんわんわんわんわんわんわんわん?

◇緊急出動、緊急出動、エマージェンシー。嵐の様なわんこの声に背中を押され玄関に。回覧版か、新聞の集金か、新聞の勧誘か、保険の勧誘か、

がちゃ。

「さっきは話が途中で途切れてしまったのでまた参りましたのよ」

参りましたのよ、のよって、何だ、のよって。

「大切な事を聞き忘れていたんです。お嬢さんは無宗教でいらっしゃるのかしら?」

あーうー。これでまたドアを閉めても、急襲されるんだろうな。しかも、忘れた頃に。その時はコーン春雨ではなく、たらこ春雨とかやってそうたな「

「いえ、ガイア教信者です」

「ガイア、きょ、う?新興宗教かしら?」

「いえ、ある意味最古の宗教です」

「そう、でも、そのガイア教とやらの司教様は」

「いえ、いないのです。ガイア教は俺教ですから」

「お、れ、きょう?」

「ええ。自分が成したい事は、己で成せ。これは自分が神であり、信者である自分に恵みをもたらす為に、自分で行動し努力するという、実に素晴らしい教えなのです。人の考えに乗っかって何かを得よう、与えて欲しいとしないで、先ずガイア、大地に根づいて己に実りをもたらせという教えなのです。さらに私は魔術師なので、宗教には縛られないのです。どうしても我が家で宗教の話をしたければ、明後日の昼間にでもいらして下さい」

「そうすればお時間が取れますか?」

「いえ、私は仕事をしているので母にでも話して下さい。それで母が納得したら母が入信する事でしょう。しかし、我が家の人間に宗教の話をするのは、道端の電柱に話をするより意味が無いと思いますよ。私以外は敬謙なる無宗教徒ですから」

「でもそれは幸せになるチャンスを逃してしまう事ですよ」

「そうですよ、お嬢さんが私達と出会えた事がすでに幸せな事なのですから」

「そんなもん幸せだと思いませんから。今の私の幸せは今すぐ、パソコンに向かう事です」

「そうですか。・・・。じゃあ、パンフレットを置いていきますから、これを見て何か感じたら、遠慮無くご連絡下さいね」

◇と、〇会のパンフレットを渡されたあちきは、再度、わんこ警備隊に報酬を払うべく台所に戻って行った。

◇その後、〇会からコンタクトはなく、もちろんこちらからコンタクトもしていない。

〇雑文のTOPへ〇TOPへ〇次の雑文へ〇

前へ雑文のトップへ次へ