かすみ荘 - 雑文:新聞勧誘は、景気良くチャイムを鳴らす
[もどりゅ]

076. 【新聞勧誘は、景気良くチャイムを鳴らす】 (2001.06.08)



◇うららかな日曜日、留守番という重大任務をまかされ、我が家の私設わんわん警備隊と一緒に、転がって、ケーブルTVを見ているあちき。今日の昼ご飯は鉄人なんとかシェフのビーフシチューin春雨。これを知ったらなんとかシェフはがっくりくるんだろうな。ごめんなさい。と、言っても、あちきが春雨をこよなく愛していると勘違いなさるのはちょいと待っていただきたい。春雨は好きでも嫌いでも無い。単に茹でる手間が要らない、熱湯に浸けて3分でいいから愛食しているだけである。さらに、あちきが料理出来ないと思われるのも不本意であり、基本の肉じゃがから和菓子、ケーキまで、多彩な料理をマスターしているつもりではある。しかしながら、料理というものは、誰かに食べてもらって反応を貰うのが一番楽しい訳であって、別に自分などどうでもいい訳だから、どうでもいいものを食しているにすぎないのだ。

◇春雨一人前をお腹に入れ、ちょっと古いTV版の洋画を見ていると、

ぴんぽーーーん。ぴぽぴぽぴぽぴぽ、ぴんぽーーーん。ぴ、ぽーん。

?わんわんわんわんわんわんわんわんわんわんわん?

?わんわんわんわんわんわんわんわんわんわんわん?

◇緊急出動、緊急出動、エマージェンシー。嵐の様なわんこの声に背中を押され玄関に。宗教か、回覧版か、新聞の集金か、新聞の勧誘か、保険の勧誘か、にしても、何故あちきが1人で留守番していると人が来るのだ?センサーでも付いているのか?我が家であちきが一番くみし易いと思われているのか?にしても、基地外みたいな鳴らし方だぞ。

がちゃ。

「こんにちわー、読み読み新聞でぇす」

◇スーツを着たお兄ちゃんがアタッシュケースを持って立っていた。何か歌舞伎町のホスト倶楽部ラヴの売れなそうなホストの兄ちゃんを、縦に引っ張って、そんで持ってパチンコ屋の店員を100gほど混入したような、とにかくカタギとはちょっと違うのよ、みたいな兄ちゃんが立っていた。こいつがさっきの基地外チャイム鳴らしの犯人だな。

「こちらのお宅は読み読み新聞取ってらっしゃいませんよねぇ。どちらの新聞をお取りですかぁ?」

「毎々です」

「毎々さんですかぁ、あそこも良いんですけどねぇ、読み読み新聞、取っていただけませんかぁ?」

「いりません」

「お嬢さんですよねぇ、学生さんですかぁ?」

◇何故この兄ちゃんは語尾を伸ばすのだ。もしも将来自分の子供がこうなりかけたら、即座にキックあんどパンチに違いない。

「そうです。だから新聞、要らないです」(思いっきり嘘)

「えー、じゃぁお勉強大変ですねぇ。学生さんのうちに、いろんな情報を手に入れるべきなんですよぉ」

おにょれの様なしゃべりをする人間に言われたくないなり。

「最初の3ヶ月、料金を(購読料と言えないのだろうか?それともあちきが言葉を知らないとなめているのだろうか?)唯にしますからぁ、読み読み新聞、取っていただけませんかねぇ。お嬢さん、成人していらっしゃいますよねぇ。お嬢さんのお名前で取れますから」

「嫌です。読み読みの社長が嫌いです。じゃびあんずが嫌いです、その選手に間接的に金が流れる様な事はしたくありません。私が購読料を払わなくても、広告主からそれ以上の利益が出る事くらい知っています。だから無料購読期間が設けられるんです」

「え・・・・・・・。で、では捨てて下さっても結構ですからぁ」

「嫌です。資源の無駄です。それにちょっとでもじゃびあんずニュースは見たくありません。私はタイガー神のファンです。ではこれで」

がちょ。

◇それにしても無料購読であちきを釣ろうとするとは、人間観察がまだまだである。これが後楽園遊園地のパスポートだったら陥落していたに違いない。だいたい新聞を読むのが面倒で、web新聞で毎々と経済を見ているあちきには全く持って不必要なものなのだ。それに捨てるのが面倒じゃないか。

◇ふと台所へ続くガラスの格子ドアを見ると、わんこ警備隊が報酬を得るべく、ジャンプを繰り返していた。かすかにお隣のお宅のチャイムの音も聞こえる。

ぴんぽーん、ぴんぽ、ぴんぽ、ぴんぽーーーん。

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