かすみ荘 - 雑文:ちょっと良い話
[もどりゅ]

094. 【ちょっと良い話】 (2001.07.13)



○日本社会は未曾有の不況に落ち込んでいる。などという識者とやらの文を見るのもいい加減飽きたので、この世の中で光明の様なものを見付けて元気を出してみてはどうか?などとかなりおっぺけぺぇな提案を敬愛する小姉ちゃんにされた。つまりは昔懐かしい某アニメ、ポリアンナの良かった探しでもしたらどうか、という提案らしい。ま、単にあちきと小姉ちゃんの待ち合わせ相手が時間を間違えており、待ちぼうけの時間潰しなのだが。

「しかし人がぽこぽこ刺されたり、ギャングに拉致られたり、くまねずみがターミナル駅にはびこっている様なご時世、そんな話を見付けるのはなかなか難しいのではないでせうか?」

「うむ、そんな時の為に心温まるちょっと良い話の本があるのだ」

○ハードカバーのそれはシリーズになっており、あちきの知らぬ所で、日夜ちょっと良い事が起きているらしい。世の中バランスが取れているものだ。あちきがキレている分、何処かで幸いも転がっているとは。以下、ざっくりとうろ覚えで抜粋。

〇何々、私は歳を取ってからというもの、毎日病院に通っています。その為にはバスに乗らなくてはいけません。バスというものは大変に階段が高く、いつもいつも苦労して乗っています。しかも運転が粗雑なのです。座席が空いていれば良いけれど、空いていない場合は譲ってくれる人を探さなければいけません。〜中略〜私の方へ今風というのでしょうか、金髪の変な格好をした男の子が席を立って恐い顔でやってきます。私が身構えていると、男の子はにっこり笑って「ばあちゃんここに座りなよ」というのです。私は自分を恥じました。見た目で人を判断してはいけない。このバスの中に乗っている、他の人は一見普通の人達なのに誰も譲ってくれない。しかし、男の子は違ったのです。男の子の勇気ある優しさに感動しました。

○えーと・・・。脱力する内容です。あちきのひねこびた考えでまとめると、乗り降りに不便で乱暴なバスで、座りたくても皆非情で席が無く、チンピラみたいな兄ちゃんが近づいて来て、何かされるかもと警戒したら席を譲ってくれて、人は見かけによらないな、と思い、感動したという事ですな。このおばあさまはそれ以前に席を譲ってくれた人達の事はそんなに印象に無いのでしょう。その場で?ああ、助かった。このまま乗っていたら転んで怪我をする所だった?とでも思って「すみません」とでもおっしゃるのでしょう。きっとバスの座席譲りで感動のお手紙を出すのは初めてだと思います。ああ、それまでの人よ、やさしい見てくれで座席を譲っても当然の様に思われたそれまでの人よ。

○昔の少女漫画にあった様なシチェーション。主人公はちょっとシャイな女の子。気になるのは成績の良いおさななじみの学級委員のA君。ところが学園祭の前にちょっとしたトラブルが。犯人は不良のB君とうわさされるが、主人公はB君が体育館裏でこっそり猫を飼っている事を知る主人公。ほんとはB君はやさしいのよ。

〇見た目が恐いイメージの人がやさしくした場合、最初のポイントがマイナスな分、より良く感じるのだ。あちきなんか、英語のテストが12点→50点の方が、古文の80点→91点よりすごいと思ったし。っつーか、12点って何だよ、自分。あ、でも、数学は9点でした。うみゅ、人生はずるっとな。

○さらに読み進めていくと、受験に間に合わなくなりそうな時に制限時速をオーバーし、かつ車の来ない信号でぶっちぎってくれたタクシーの運転手さんありがとうとか、新幹線の出発時間をドア部分で立ちふさがる事で送らせてくれた若人よありがとうとか、何か奥歯に引っかかるようなありがとうも満載である。もちろん、ああ、良い話ねと思うようなものも多いのだが、あんたそりはちょいと違うのでは?と思う話も多かった。大体遅れそうなら早く行け、交差点で人を跳ねたらどうするのだ、出発を遅らせた為に仕事の打ち合わせに送れた人はどうすればよいのだ、などと考えてしまう。

〇昨日の話であるが、帰りのバスでぼげーっと読書をしていたら、いきなりエルボースマッシュを食らわせられた。痛かった。乗って来たおばあちゃんがいきなりたたらを踏んでこっちに飛んできたのである。よっ、音羽屋。気づいたのはたたらを踏みながら悲鳴を上げて吹っ飛んでくる時で、

おばあさんが吹っ飛んで来た コマンド?→

戦う・逃げる・突き飛ばす・受け止める・防御・魔法

〇下した判断が受け止める。やっぱ年寄りに乱暴をするのはいかん。で、次の瞬間体ごとぶつかって来て、その時におばあさんの肘があちきの胸板にクリーンヒット。喘息の発作は起きなかったが、危なく反射的におばあさんを突き飛ばす所であった。痛みに理性が勝利しなかったら、今頃おばあさんを突き飛ばした際に骨折、警察行きだったかも知れない。

○で、おばあさんが今にもまた吹っ飛んでっちゃいそうなので、痛みに耐えつつ立ち上がり「どうぞ」と席を譲ったのだけれどおばあさんはあちきの事をちょっと良い話に投稿してくれるかなぁ。?エルボーの後に譲ってくれた席?なーんか、あちきがおばあさんにエルボーしたみたいだね。してないよ、してない。

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