かすみ荘 - 雑文:妖怪!柿小僧
[もどりゅ]

119. 【驚愕!妖怪柿小僧】 (2001.09.18)



○他のBBSでお菓子のおまけ、いや、おまけにお菓子が付いてくる妖怪フィギュアの話が出ていて、ふと思い出した。あちきが子供の頃、色々な本を読んでいて、まあ今も色々と読んでいるのだけれど、落語と人情話と怪談話にはまった時期があって、この怪談話の中に妖怪の話も数多くあった。

○怪談話の中には、幽霊話あり祟り話ありと怖い系の話がメインで、妖怪も人に悪さをするのばかりが紹介されていた。しかし、そこから妖怪にちょびっと興味を持って色々な妖怪本を読んでみると、おおよそ何の為に存在しているかわからない妖怪も多数存在していた。中でも、子供のあちきが驚愕した妖怪は?柿小僧?という存在であった。

○夕焼けに照らされた日暮れの山道を一人歩いていると、声をかけて来る者が居る。それは箸を持っていて、それをこっちに渡して来る。そしてそれはおもむろに自分の着物の裾を捲くり上げ、お尻を突き出してこう言うのだ。

「掘ってくれ」と。

しかも、言われるがままにお尻の穴を箸でほじくると、次はこう言う。

「箸をなめてくれ」と。

○実に恐ろしい話である。実に恐ろしい妖怪ではないだろうか。先ず第一に夕方に現れてしまうのだ。しかも一人でとぼとぼと山道を歩いている時に、連れが居ない時を狙ってくるのだ。夕日が背中を押してくる、真っ赤な腕で押してくる、そんな歌もあるのだけれど(児童唱歌)、妖怪人間だって闇に隠れて生きている筈なのに、夕刻に現れてしまうのだ。しかも、わざわざ箸を持参して、それでお尻の穴を掘れと要求してくるのだ。怖い、かなり怖い。その後、その、通常では考えられない事であるが、その箸をなめろ、と要求する。お尻の穴をほじくった箸を何故なめねばならないのであろうか。そして、その要求をしてくるのは妖怪なので、やはりこの一連の作業は妖怪ぱぅわぁで操られ、完了させられてしまうに違いない。

○想像して下さい。貴方が夕暮れの山道で、変質者もびっくりな妖怪に操られ、真っ赤な夕日に照らされながらそいつのお尻の穴を、渡された箸でほじくっている様を。付け加えますと、その箸をなめると熟した甘い柿の味がするのだそうでございます。

○他に道を歩いていると会える奇妙な妖怪に?やかんつる?がいます。夜道を歩いていて、ああ、喉が渇いたなぁと思うと、頭上からロープに吊らされたやかんがするすると降りて来るのです。そんでもってそのやかんの水は甘くて美味しいらしい。って、いくら喉が渇いていても、空から降りて来たやかんの水は飲まないと思うのだけれどどうか。後、やかんつるの本体はやかんなのか、ロープなのか、見えないその上なのか。

○家の中でも一応無害な妖怪は出現します。有名な所でお風呂に付いた垢をこっそりなめる?あかなめ?。天井からぶら下がって驚かすだけの?ぶらさがり?。ご不浄を覗くだけの?がんばり入道?。ぶらさがりは心臓の弱い方、お年寄りなどには危険かも知れないけれど、まあ、ぶらさがるだけなので許してあげて下さい。ちょっと便利なのが?小袖の手?。着物に憑いていて、着付けを手伝ってくれるのだ。まあ、袖口から手が出てくるらしいのでビジュアルとしてはかなり怖いかもしれない。

○ともかく、何がともかくかは分からないが、子供の頃のあちきは委員会の後に一人で家に帰るのが怖かった。当時、あちきは名誉ある放送委員会のメンバーで、集に一回「下校の時刻になりました。校庭、または教室に居る人は、後片付けをし、早く家に帰りましょう」などどマイクに向かって言っていた。BGMはサウンドオブサイレンス。その放送をするのが3時45分。放送室を片付け、校門を出るのが4時。秋口になるとつるべ落としの名に恥じない陽が傾きつつあるのがわかる。しかも、小学校は丘の上にある。校歌にも「若葉が揺れる、丘の上」なる歌詞があった。丘の上から家のある丘の下まではゆるゆるした下り坂である。子供の足で25分はかかる。柿小僧が出るかもしれないシチュエーションではないだろうか。怖いけれどもあちき一人で帰るしかない。放送の担当日、水曜日の放課後に柿小僧の恐怖に翻弄されたものだった。

○現在、仕事帰りの道は坂でも山道でもないので、柿小僧は現れないと思う。喉も渇いていなければ、やかんも降りてこないであろう。一安心である。それにしても、灯りという物が乏しく、人気の無いところが多かった昔には、ちょっとした出来事が妖怪と言う形にされてしまったのだと思う。にしても、考えすぎだぞ昔の人。

○逆に怖い妖怪と言うのも居る。有名な所で?小豆洗い?。小豆を洗っている所を目撃すると食べられてしまうらしい。もしも音を聞いてしまったら、放っておいて大人しく小豆を洗っていただいておくべきだ。マイナーどころでは?金精?。お金をくれる代わりに魂を取られてしまう。ちょっと西洋の悪魔っぽい。どうでもいいけれど勝手に家に入って来て、お勝手で小豆を洗って、んで見られたらその相手を消すのはかなり我侭だ。ドラマや映画で殺し屋とかが目撃者を消せ、っていうのとはちょっと違う。住居侵入の上小豆をといで、それを見られたから消すというのだから。

○最後に、良い妖怪を紹介しておく。あちきも何時来ても大歓迎する予定なので、この妖怪に会った方はあちきの事を紹介しておいて下さい。その妖怪の名前は?足洗い?。家の天井を破ってやって来ますが、立ち去った後の天井は元通りになっているので安心です。夜中にどーんという音がして、その音がした部屋にかけつけると、天井を破ってでっかい足が畳の上に乗っているのです。そして天井の遥か上から「洗ってくれ〜」という声が聞こえるのです。洗ってくれと言うのですから、大人しく洗ってあげましょう。「ありがとう〜」という声とともに足が天井に消え、天井の穴からお金がざくざく降ったのち、天井の穴は塞がってしまいます。

○すごいです、すごすぎです。妖怪足洗い。自分でぶち抜いた天井をプリンセステンコーもびっくりのイリュージョン並みのパワーで塞いでいってしまうのです。アフターケアーも万全です。足を洗った事に対してお礼を言うのも礼節をわきまえていると言えるし、足だけしか出さないのは奥ゆかしいからかも知れない。その上お金をくれるのですよ、ざくざくと。昔は小判が振ってきたのでしょうね、だから擬音はざくざく。今ならいっちまんえ〜ん札が降って来るのでしょうか。だとしたらひらひら。ともかくあちきは待っています。タオルと石鹸を用意して待っています。ので、遭遇された方はあちきの事をよろしくお伝え下さい。

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