かすみ荘 - 雑文:ご一緒にソフトも如何ですか?
[もどりゅ]

138. 【マックお一つ如何ですか?】 (2001.12.23)



○今日も今日とて電車に揺られていたのです。揺られると言っても、昆布みたいにふらふらしていたりはしておりません。電車の揺れにささやかに抵抗しつつ、ぼけ〜っと乗っていたのでございます。それにしてもあれですね、電車に関わらず乗り物って凄いものでございますね。あちきという人間がどんなに気張っても出せないスピードで移動するのでございます。しかも、乗っているあちきにほとんど影響無く動いているのです。あちきだけを100キロ也のスピード長時間に曝したら、生命の危機ではないでしょうか。そんなに体力無いし。そういえば小学生の頃、自転する地球から振り落とされないのは何故か、と先生に聞いてちょびっと困られたものでした。先生はバケツに水を入れて説明してくれたものの、それはバケツの内側に水が入っている。あちきは丸い地球の上に乗っているのだと騒ぎ、図解説明で何とか納得したものの、では公転している地球から振り落とされないのは何故か、などとさらに追求した事がある。先生、ごめんなさい。

○ともかく、疾走する電車の壁に激突する事も無く、安寧に電車に乗っていると、ラヴラヴカップルの声が聞こえて来た。そう、今月はクリスマス。ケーキを食べたり、ローソクに火をつけたり、真っ赤な服に大きな袋を持って泥棒していても怪しく思われない月なのだ。勿論、「なぬ?くりすますとな。ばてれんの祭りなぞに浮かれるとはけしからん」などとおっしゃる方もなかにはいらっしゃるやも知れませぬ。ませぬが、町は赤と緑と白と金と銀で飾られ、急いだ挙句手の抜かれた永遠の輝きをびっくりお値段で買ったり買わされたりするのが横行しているというのが実際の所なのです。

○聞くとは無しに話を聞いていると、彼女が欲しい物はiマック、色はストロベリー。あちきが言う所の、すけすけせくしーピンクマック。一見すると今時のギャルに見える学生さんらしい彼女は、すけまっくを華麗に操りたいとの事。それを彼がバイト代でポーンとプレゼントしちゃうらしい。うみゅう、お金持ちぃ。

「それでねぇ、友達ぁ、ウィンドウズ使っているからぁ、ソフトくれるってぇ」
 ほぇ?そのまま使わないのか?
「そっか、やっぱウィンドウズって有名だもんな」
 M$ですな。
「最初っから入ってるんだよね」
 えぇぇぇぇぇぇ?そりはどういう意味ですか?
「じゃなきゃ使えねぇじゃん」
 えーとー。

○あちきはあんましパソコンの事に詳しくないし、むしろ知らないと言って良いくらいだけれど、OSという言葉くらいは知っている。なのに、どうやらこのお二人さんはマックはマシンの種類、パソコンは全てウィンドウズというソフトで動いていると思っているらしい。

「パソコンがあれば何でも出来るんだよね〜」
 何でもって・・・
「俺にも貸してくれよ、そんでパチンコの情報見んだ」
 ぱちんこ・・・
「え〜、どうせエッチな番組見るんでしょぉ」
 ・・・
「そんな事する訳無いじゃん」

○考えてみれば、普段仕事で使っている人でもOSって何?という人もいる訳で、いつも決まったメニューしか使わない人からすれば訳がわからない訳で、あちきだってこの職場に入社するまで高校のパソコンの一太郎の授業しか無かった訳で、余計な所は触らなかった訳で、ともかく姉さん、こういう事もある訳です。

○ともあれ、お二人はパソコンの素晴らしさと、その多機能性を讃えつつ、相手思いの自分達のラヴラヴっぷりに盛り上がっていた訳です。そしてふと、彼が思い出した様に言いました。

「そういえばさぁ、大学の先輩が薦めて来るソフトがあんだよ」
「え〜、何ぃ?」
「リナックスとか言ってたかな」
「何に使うのぉ?」
「いろんな事に使えるってよ」
「じゃぁそれも使う」

○恐るべしカップル。一台のすけまっくにマックOSとWinOSとLinuxOSを混在させようとわ!うみゅみゅみゅみゅぅ、凄いわ、凄い作戦だわ。どやったら出来るのかしらん。あちきには皆目検討もつかない。

○その時、なにやら魔法の呪文の様な低い声が聞こえて来た。声の方をそぉっと見ると、雑誌loginを開いている。開いてはいるが、どうやら二人のやり取りばかり気になって仕方が無いらしい。小さな声で、

「止めろ、止めておけ、そんなんで買うな」

と、呟いている。ちょっと怖ひ。

○あちきの家の近くに、結構人気のあるケーキ屋さんがあって、そこはケーキの他にちょっと質の良いフルーツなんかも置いてあるのだけれど、どうやら在庫などの管理にすけまっくを使ってるらしい。色はお洒落なケロロ色。ケロロと書くと一部の方にしか解らないのではないかと思うのでちょっと補足。
けろろ【ケロロ】名詞:ケロロ軍曹:ガマ星雲出身:月刊少年エースにて連載中(2001.12現在)
様はライムなのですけれど、あちきに言わせればすけすけケロマック。

○んで、ケーキ屋さんけろまっくが稼動しているのは滅多に無い事で、偶然稼動しているのを見ると、いつも同じ人が使っている。どうやら他の人は使えないらしい。先日など、いつもは奥でケーキを作っているマスターがけろまっくの前で腕組みをしたまま固まっていた。どうやら初っ端から解らないらしい。うみゅ、大丈夫よマスター、あちきも解らないわ。などと心の中で呟くも、もちろんそれが伝わる事も無く、マスターははふぅと大きなため息をついた。

○そんな事を思い出していたら、二人の夢はさらに膨らんでいた。

「あたし、ホームページ作っちゃお」
「すげえじゃん」
「でしょ。そんでぇ、あたしの写真のせてアイドルになるんだ」
「そうゆうのネットアイドルとかいうんだろ」
「でもファンが増えると困るよねぇ」

○そっか、増えると困るのか。うみゅうみゅ、そうであろう、そうであろう。あちきもwebサイトを持っているがファンはいらさらないぞ。応援してくれる方が若干名いらっしゃるだけだ。いえね、確かに素敵な写真とかは無いけれど。

○そんな訳で、二人の幸せなカップルはimacを買うために、横浜の町に消えていった。その後、カップルの二人がパソコンでやりたい事が何処まで出来たかは解らない。勿論、imac1台で3つのOSが動いたかも解らない。・・・、でも、無理でしょ、多分。

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