かすみ荘 - 雑文:ちょっといい話?
[もどりゅ]

147. 【お年寄りとわたくし】 (2002.02.13)



○近所のお年寄りにもてもてなんである。あちきが。意外にも。もともと「死んだばあさんによく似ている」だの「若い頃のマドンナの面影がある」だの「死んだじいさん(何で男だよ)に似ている」だの「お雛様に似ている」だの「若様(だから何で男か)の様だ」「良かったらあんみつでも一緒に食べませんか(ナンパなのか?)」「お汁粉でもおごります」などとお年寄りに声をかけられているあちきであるが、朝の通勤バスの態度が悪いので年寄りに厳しい奴とでもまかり通っていると思っていたが正反対であったらしい。どうやら朝、バスに乗り込んでくるお年寄りと、我が町内のお年寄りには交流はないらしい。

○話は変わるが、ケーブルテレビだかなんだかで、寅さんの一挙公開していたが、寅さんに出てくるヒロインは皆目がパッチリとしていて、それと似ても似つかないあちきがマドンナでいられる時代というのはさらにその前の様である。あちきの死んだばあちゃんがモガ、と呼ばれた頃まで遡らねばならない様だ。実際、死んだばあちゃんはあちきを美人だ、美人だ、とゆっておったので、その頃の資料を調べてみると、何やらがっくりと来るものが多かったので見ない事にする。おほほほほほ、こうなったら平安時代に遡って・・・いや、いかん。平安時代は17歳でおばさんだからな。うみゅみゅう、潰しの利かない、あ・ち・き。

○何故そんな事を知ったかというと、あちきの町内のお達者は、皆さんかなりのお達者っぷりなので、あちらこちらの集会所をお持ちであり、そのうちの一つの生協(正式名:生活協同組合:スーパー)であちきが石鹸シャンプーを物色していた所、お達者の一人に確保され、やれ寒かったり暑かったりだの医療費が上がるだの年金が据え置かれるのではないかだの向かいの奥さんのお嬢さんがやんちゃで困るだの延々語られた後に「最近kasumiちゃん、人気あるのよねぇ」などと教えてもらったのだ。

○何か特別な事したっけなぁ、とつらつら考えてみるが、何も思い当たらない。いっそ聞いてしまえ、と理由を問うた所?挨拶をしている?からなんだそうな。

○挨拶ですぜ、挨拶。するでしょ、普通、生活していれば。と思ったのだけれどそれがそうでもないらしいのだ。20代、30代の人は無言で頭を下げるのが良い方で、普通は挨拶をしないのだそうな。しかもあちきの場合「最近温かくなりましたね。でも朝夕寒いですからお気をつけて」とか「ノンステップバスが増えましたね。階段の無いバス。お乗りになりましたか?」などと言わずにいられないので、お年寄りに話し掛けてくる数少ない若者なんだそうな。いや、だってさ、話したくなるんだも。自分の祖父母が亡くなっているし、視界が狭くなって人を突き飛ばす訳でも無いし、バスの座席を横取りされたりしないし。あちきは優しい年寄りは大好きなのだ。のだ。

○そんな訳でもてもてらしい。もてもてといってもちょっと評判が良いだけで、何かもらえるとか、遺産相続人(縁起悪)になれるとか、そう言う事は一切無い。しかしながら、もてもてというのは意外な弊害をもたらすものである。お達者の皆さんは孫に相当するあちきが、のんべんだらりと仕事をしているのが心配らしいのだ。お年頃のお嬢さん(と言われた)が嫁にも行かずに家にいるという事は由々しき事態なのだそうな。

○お達者の情報網は地域密着的な事に関しては凄い。何処の家のお嬢さん、お坊ちゃんが幾つであるとか、何処の家のペットは何とか、何処の誰が入院しているとか、近所の和菓子屋の新製品はこれとか、水道屋さんはどこが良いとか、これだけ有力な情報を握る中、一つ問題を上げるとすると、情報のセーブが上手くいっていなかったり、ハードディスクの古いデータが亡霊の様に甦り、「kasumiちゃんて高校生よねぇ」などといった誤情報が通常の情報に紛れ込む事があるという事であろう。にんともかんとも。

○そんな訳で、もてもてのあちきの為に素敵な旦那さんを探してあげよう計画、などというものが持ち上がったらしい。上げるな、そんなもん。しかもお達者情報から選択されるので、相手は町内の男性限定なのだ。町内の適齢期の男性。お達者情報は先にもあげたが時に誤情報が紛れ込む。下は高校生から上は60代の方まで、どうか?と薦められる。こりはいけない。「彼がいるので…」と言うという手もあるが下手にその様な事を言うとその話がさらに変換、拡散され、結婚出来ない怪しげな理由というのが山の様に出来上がるであろう。なむなむ。そんな訳で「仕事が楽しいんですぅ」と心にも無い嘘をついている今日この頃。

○どうであれ、お達者の皆さんは若い人と話のが好きな人が多いらしい。先日は時候の挨拶をしたらば「そうやって体の事を心配してくれる人なんていないよ」と感激のあまり涙ぐまれてしまったりして、こっちまで感動してしまい、涙ぐんで「大丈夫ですよ」などと言う始末。あちきよ、何が大丈夫だというのだ。おいおい。皆様もぜひお達者とのふれあいをお持ち下さい。下手な映画より感動したり学んだりする事が多い様な気がしまする。

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