かすみ荘 - 雑文:実際はウイルスサイズ
[もどりゅ]

156. 【車中にて・・・】 (2002.03.07)



○その日は朝から花粉症の薬を飲んでいて、久々に気分の良い帰宅である。仕事の方は快調であったかは定かではない。あちきが「お先に失礼します」といって小走りに居室を出た時に、「明日必ず来てやってねぇぇぇぇ!」という叫びの様なものを聞いた気もするが、恐らく幻聴であろう。残業は効率が悪いので、極力避けるあちきである。かように会社の諸経費(この場合残業手当)を節約する模範社員には、会社も感謝してしかるべきではないだろうか。たとえ絶叫する幻聴があろうとも。

○花粉症の薬のおかげでアレルギー症状は出ておらず、マスク、帽子、手袋のオプションも不要なので、電車の中でも普通の人だ。飲まない時は不審者として職務質問を受けても仕方が無い様な外見であるので、薬の力は偉大である。びば、じゃんきぃ。呑気に電車に揺られていると、右後方に位置していた女子高生の会話が聞こえて来た。

 「っつうかさぁ、花粉症↑、うざくない↑」
 「まじうざい。っつーか外歩けないなら出んなっつーの」
 (↑語尾上がる)

○とんでもない話である。周囲にいる花粉症患者に殴り殺されても文句は言えないかも知れない。あ、あちきも殴っていいのか、一応。とはいえ、ちょいと考えの浅薄な女子高生のお嬢さんのご意見である。あちきは大人なので、これから何を言うか面白がりながら聞いていた。あえて言わせていただければ、出られないのに出ているのは、自分の生活基盤を支える為と、この、経済不況の日本を支えるべく、血税を納めるために労働する為である。お嬢さん方の公共の生活にも使われているかも知れない。浅はかなお嬢さん方には、その様な社会構造はわからないかも知れないが。

 「マスクがうざい」
 「つうかうるさいし」
 「つば飛んでるじゃん、くしゃみ↑」
 「何かもう見てるだけで暑苦しいっつーの」
 「ハゲも同罪↑」
 (そ、そりは・・・)
 「つうかさ、花粉症って何?」
 「花粉症菌じゃねぇ↑」
 (何だそりは)
 「菌かぁ。やっぱね」
 (納得すんぁぁぁぁ!)
 「菌ってさぁ、どこでもはえんじゃん」
 「こわくねぇ↑」
 (恐いのは君達ではないか?)
 「じゃぁさぁ、つくれんじゃねぇ↑、薬」
 「つぅかさぁ、薬うってんじゃん」
 「じゃなくてさぁ、治るやつ↑」
 「出来んの?」
 「出来るっしょ」
 (出来るらしい・・・--;)
 「治るやつって違うの?」
 「何かさぁ、薬ってぇ、治してる訳じゃなくてぇ、抑えてるだけ↑とかゆってぇ」
 「したらさぁ、お金持ちじゃん」
 「つうかもうかるっしょ」
 「一千万くらいじゃねぇ↑」
 (安っ!特効薬で一千万、激安っ!)
 「凄いじゃん、大金じゃん」
 「っしょー」
 「でもさぁ、誰がつくんのよ?」
 「うちらでも作れんじゃない?」
 (いや、無理でしょ、確実に)
 「簡単だっつー」
 「したら金持ちじゃん」
 (一千万だけどね)
 「でしょ」
 「やっぱ注射っしょ」
 「見た見た、教科書↑」
 (天然痘か何かのやつか?)
 「つうかさ、他にもつくらねえ?」
 「何を」

○ここであちきの降りる駅についてしまったので、これから先の彼女達の会話はわからない。が、新薬の検討になっていたのかも知れない。あちきがもし、マスクをしていたら、この話は聞けなかったかも知れないが、笑いをこらえるのにかなりの根性が必要であった。

○もしも、新薬が出来たとして、彼女達の事を思い出したら、投薬をする前にかなり悩むと思う。もしかして、もしかすると、もしかしちゃって、その薬の作成者が彼女達かも知れないからだ。

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