かすみ荘 - 雑文:まるで駄菓子のひとつでも買うかの様に
[もどりゅ]

189. 【明日大きな買い物を・・・】 (2002.06.06)



○「この家を買う。明日買う」彼の言葉に、一同は固まった。彼の手にはみつひのリハウスのチラシがはためいており、彼の顔は冷静そのものであった。だがしかし、だがしかし、彼はこの状態になる前、ビールを1.5リットル、日本酒を約600cc程摂取しており、本気なのか酔っ払いのたわごとなのか、さっぱり解らないのであった。

○ここに某日記サイト様の心の世間のアイドル、自称爽やか好青年、ぷにぷに雑文書きの人がいる。話に聞くところに寄ると、酒を飲むと神が降りて来て、何やら文章にも出来ない、絵にもかけない様な事をぶちかますらしいのである。残念ながら、神が降臨するのは職場での飲み会での場合が多いらしく、また、神が降臨した時に雑文書きの人は神がかりになっているので、その時の記憶は無いのだという。その為、神光臨の話はおぼろげな物となってしまっているのだそうな。

○雑文書きの人の家の人口密度はかなりのものであった。ルームメイトである某谷川師匠、某浜中師匠、北国から帰還された某桧山師匠、海の向うからジョブチェンジなさりに来た某従兄さん。5人である。3DKのお家のダイニング部、ちゃぶ台の周りに5人の男性が、みちみちと集まっているのである。その中に、ぽつねんとあちきは鎮座ましましていた。何やら、帰還おめでとう記念、彼女出来ておめでとう記念、就職決定おめでとう記念、婚約おめでとう記念、東京暮らし安定?おめでとう記念、などなど数々の記念に飲むという趣旨で飲み始めたのである。

○さて、あちきがそんな所で何をしているかと言うと、蜜柑ジュースを飲みながら、神の光臨を待ちわびていたのである。本人ですら、どの様なものか解らない、神様を目の当たりにしたい、そう思ってぼけ〜っと座っていたのである。勿論、ただただ座っていた訳ではなく、昔のアニメの話をしたり、現在のアニメの話をしたり、今の日本ってどうよという話をしたり、コスプレってどうよという話をしたり、ジャガイモの芽にはソラニンがあるがサツマイモの芽は食べられるという話をしたり、色々な話をしたりしていた。

○皆さんが良い感じに酔っ払って来た辺りで、あちきは某谷川師匠にちょっと質問をした。谷川師匠はフィアンセがいて、そのフィアンセの人が一人暮らしをしているアパートの契約が12月で切れてしまう為、それまでに今後の住居の手配をしなくてはいけないと言う。さするれば、結婚するにあたって、一緒に住んで貯金をしたり、サプライズ結婚式(ケーキ入刀時にケーキの中から谷川師匠が飛び出す)の計画を練ったり、飛び出す招待状を作成するのに便利だからという話である。それにより、今後のルームメイトとしての生活はどうなってしまうのかという質問であるが、予定としては12月末をめどにゆるゆると次の住居を決めて引越しをするという。と、それを聞いていた雑文書きの人は、ざしゅっと立ち上がり、自室に飛び込んだかと思うと、部屋から出て来て冒頭の状況が展開されたのである。

○某谷川師匠、某浜中師匠の心中を図り知る事はあちきには出来ない。寝耳に水、を超越した事態であると思うくらいだ。人は、衣食住が事足りて初めて、欲が出てくるのだと言った人がいた様ないない様な気がするが、いきなり共同生活崩壊といった発言をしているのである。しかも、元を正せばこの男が、某谷川師匠に一人で暮らすのは色々とアレなので一緒に暮らさないか?と誘った張本人であるのだ。そいつがいけしゃあしゃあと、
 「俺が明日この家を買って、来月中には引っ越そうと思うのだけど皆大丈夫?」
などと抜かしていやがられるのである。うみゅみゅう、そりともあれですか?オトコノユウジョウハアチキニハワカラナイモノナノデスカ?

○家賃などの問題や、引越し費用、今後の生活、そんな事等不可能である、と諸氏がおっしゃる中、雑文書きの人はこうのたまった。
 「50万円貸してやるので、それで何とかしてくれないか」
鬼である。友情を50万円でどうかしようとしているのである。しかも、50万円は貸与であるからして、その後返却しなくてはならないのである。恐るべし、雑文書きの人。ただのぷにぷにマニアかと思っていたがそうではなかったのだ。一国一城の主いなる野望を胸に秘め、誰にも言わず突然家を買う、と休火山の爆発の様に騒ぎ出したのである。

○さて、何ゆえ彼がみつひのりはうすのチラシを持っていたかというと、あちきが渡したからである。某谷川師匠、某浜中師匠の安寧を揺るがしたおおもとはあちきの行動にあったのである。どうせ買うならお家、という雑文書きの人に、こりは出物であるというお家のチラシをあちきがみつひのリハウスのオープンハウスの前で貰って、渡したせいで、お二方の平安が乱されているのである。あうあう。

○その後、しきりにその家の購入計画を演説し、その後のお二方の処遇を勝手に色々検討し、ひとしきり言いたい放題言うと、ふらふらと自室に戻り、ばったり倒れて寝てしまったのである。その後、何故か夜泣きを始めてしまい、素面のあちきはうずきうめいがんは何処で購入出来るのかと、考えたりする事になる。勿論、翌日、彼の記憶にその事件の事は無く、端から端まで説明すると、
 「バカだよ。俺」
と頭を抱えていた。結局家は買っていない。

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