かすみ荘 - 雑文:怪獣と恐竜
[もどりゅ]

190. 【凄いぞ、プテラノドン】 (2002.06.06)



○母とううちゃん(妹仮名)とUSJに行ったのだ。うそじゃぱんの略ではない。ゆにばあさるすたじおじゃぱんである。大阪にあるハリウッド映画のテーマパーク、変な宇宙人のライドや、変な恐竜のライドや、変なロボットの劇場や、がくがく揺れる車のライドや、楽しい水上要塞のイベントがある。微妙にあちきの好みが見え隠れしている様なのは気のせいです、多分。

○一番最初に乗ろうとした恐竜ライドの列に並んで、50分と言う待ち時間の間に、色々な話をしていて、ふと、ううちゃんが顔をあげ、設置されているモニターを見て言った。
 「恐竜って凄いよね」

○凄い、そう言われて言われてあちきが思ったのは、
 体がでかいので凄い。(ブロントサウルスとか)
 前足がちっちゃくのに、ちゃんと付いているのが凄い。(ティラノサウルスとか)
 意味も無く背びれみたいなのがついていて凄い。(トリケラトプスとか)
 でかいくせに水に浮いて凄い。(ブラキオサウルスとか)
 かなりきつそうな体の癖に飛んじゃうのが凄い。(プテラノドンとか)
 何故か絶滅しちゃったのが凄い。(諸説あるのも凄い)
などといった所だったりする。

○が、ううちゃんの凄いと思うポイントは普通では無かった。

 「だってさ、火を吹くんだよ」

 はぁ?

○ううちゃんは成人した妙齢の女性である。憧れの女性は峰不二子、ふぅじこちゃぁぁあんである。ちなみにあちきの憧れの女性はラヴリーエンゼルのユリちゃんであるが、まあ、そりは置いておく。胸がばいーんで、ウエストがきゅ〜で、お尻がぼーんのセクシィダイナマイツである。そんな妙齢の女性であり、あちきよりも全然常識を押さえ、さらに、携帯電話の待ちうけ画面を今流行り(なのか?)の?がっくん?とやらにしている女性である。今日だって、ヴィトンとやらの珍しいバックを小粋に抱え、先程200円で購入した水濡れ防止ポンチョを着たり脱いだりしている。非常識人のあちきは「濡れるのもまたネタ、景気良く濡れましょう」と言い放ち、僅かにしか存在しない水濡れ上等チームに入っているのであるが、そんな姉を持っているにもかかわらず、普通のおおえるさんとして生活しているのである。そんなううちゃんの言葉に、あちきは固まった。

○冗談、そう、冗談に決まっている。この、碧の星、太陽系の宝石、地球に生まれた生きとし生けるものの中で、過去から現在まで炎を吹く生物と言うのは存在しない筈である。火を燃やす為には、可燃物が必要であり、発火する為の温度まで可燃物が熱せられねばならないのだ。しかし、ううちゃんの言葉はまだまだ続くのである。
 「あ、でもあれだよ、普通の恐竜は火を吹かないよ。吹くのは空を飛んでいるやつだけ」
 「何で?」
 「えーだってさ、空飛んでるやつってちっちゃいじゃん。火を吹いて身を守るんだよ」
うちの妹に生物学を教えた責任者出て来い。あちきと語ろう。みっちりと語ろう。貴様を問い詰めてやる、小一時間問い詰めてやる。貴様は何を教えたのかと、貴様の周りに炎を吐き出す生物がいたのかと、貴様は教え子が斯様に理解している事をどう思うのかと。

○どうやら、本気で飛竜は火を吹くと思っているらしい事が判明した。面白いが実の妹の大いなる勘違いは、姉として直しておかねばなるまいまい。
 「ううちゃん、恐竜と怪獣を一緒にしているみたいだけれど、恐竜は火を吹いたりしないよ」
 「嘘!?」
 「いや、嘘ついても仕方ないし。火を吹くのは人間が作った怪獣だし」
 「え?空飛ぶやつだよ」
 「プテラノドンとか始祖鳥とかの事だよね。吹かないよ、火は」
 「じゃあ、どうやって身を守るの?」
 「安全な所まで飛べるし」
 「火を吹く鳥がいたら森が火事になっちゃうじゃない」
母も参加して説得に当たる。が、ううちゃんの中では?プテラノドン(名称は知らなかった)は火を吹く?と固定されており、なかなか要領を得ない。
 「じゃあ、どうやって火を吹いているの?」
 「そこなんだよねー。どうやって吹くか解らないけれど、火を吹くでしょ。だから凄いなと思ってさ」
吹きません。
 「だから吹かないってば」
 「えー、でもプロレスラーとかって、毒霧吹くよ」
 「あれは試合前に口に入れておくの」

○それにしても、原理は解らないが、恐竜(但し、ううちゃんの中で飛竜限定)は火を吹く生物であるとされている上に、その、原理が解らない所がより凄みを出しているとはどういう事であろうか。そして、ファンタジー映画の中で火を吹いている竜、いわゆるドラゴンについては、
 「あれはね、嘘だよ。だって恐いやつ(どうやらTREXなどを指しているらしい)は火を吹かないもん」
と認識しているらしい。一体、成人した女性にこれほどまで確固たる自信(但し証拠は皆無)に裏打ちされた偽情報を与えた情況とは一体何か。考えると興味は尽きない。

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