かすみ荘 - 雑文:紫水晶、アメジストとも言うです。
[もどりゅ]

198. 【印鑑を作るべきですよ】 (2002.07.01)



○前回、生命保険を解約しようとしていたあちきに次々と起こる事件の数々。保険の受付窓口は平日しか開いていないというので、折角会社の休日を利用して、webで場所を検索していけば支社の場所が移転してかなりの捜索の末に電話確認をする破目になり、移転先のビルを探して迷子になり、何とか発見して受付時間ぎりぎりに飛び込めば保険契約証書の無い人間の保険化解約出来ないと言われる始末。契約書は持ってくるものと想定してお客様相談の人が説明してくれたらしいとは想像がつくものの、ちょっとばかり不親切ではねいのですかと思いつつも、マニュアル化された手続きであるからして何を言おうが聞いてくれず、とぼとぼと帰路に着くあちき。敗北、である。

○さて、二日後、気を取り直して保険解約に向かう事にする。今度はちゃんと保険契約証書も持ったので、問題は無かろう。無かろうが、少なくとも、現在使われていない印鑑にて契約をしているのであるからして、少なくとも印鑑証明書は取っておいた方が良いに決まっている。そして、印鑑登録カードは発見されていない。とすれば、区役所に行かねばなるまいまい。ともあれ、現在あちきが一週間の休暇期間であった事は不幸中の幸いというやつであろう。僥倖、僥倖。勿論、休暇期間であったからこそ、生命保険の解約手続きをしようと思い立ったのであるけれども。

○印鑑登録は区役所で行っている為、バスと電車を乗り継いで区役所へ。保険会社の支社と区役所の方向が一緒であったのも、神様のお恵みやも知れない。そんでもって、区役所の一階、相談受付の所にいらっしゃる、ダンディな職員の方に、おとっときの可愛い声で、
 「少々お伺いしたいのですけれど、印鑑登録のカードを無くしてしまったのですが、どの様にすれば印鑑証明書を発行していただけるのでしょうか?」
おじ様はにこり、と笑って上を指差した。
 「二階の21番窓口で印鑑登録カードの紛失と言って下さいね」
 「はい」
 「21番ですよ、間違えないで下さいね」
うう、念を押されてしまった。あちきがそんなに頼りなく見えるのですか?

○21番窓口の前でしばし列に並ぶ。順番が廻って来て、紛失の旨訴えると、
 「ではこちらの用紙二枚を記入して再度並んで下さい」
と、言われる。むぅ、此処で書かせてはくれないらしい。記載台に行って、またしても並ばねばならないらしい。確かに、此処で書かれては不味い事もあろう。お年寄りの人などに窓口をロックされたりすれば、記載するのにどれだけかかるかわからぬであろうからのう。むいむい、行きますよ、記載台に。

○一緒に印鑑登録証明書も発行してくれるというので、並ぶ前に200円の収入印紙を買う。200円という金額は安いのか高いのか不明であるが、少なくとも、普通のサービスとはちょっとだけ離れているので金を取るのだな、多分。あちきの父も公務員であるからして、何故にお金を取るのかと聞いてみた事もあるのですが、「色々な事情があるのだ」と誤魔化されたのでもう聞かない事にしている。それを持って列に並んで、やっと順番。登録カードを無くしたと言うと、
 「では免許証はありますか?」
 「パスポートを持って来ました」
 「は?パスポートを?何でそんな大切なものを」
 「車の免許も船員手帳も持っていないもので」
 「そうですか・・・」
パスポートのNOを写されている様子であるが、何故あちきの顔とパスポートの写真を見比べない?もしも偽造パスポートであったらどうするおつもりか?先ず疑ってかかるべきではないのか?そりとも、市民の味方、区役所は市民を信じているのであろうか。むうむう。

○と、窓口のおじ様の動きがぴたり、と止まったのです。あちき、余計な事はしていないのに。あちきのパスポートは本物なのに。まさかあれか?実はあちきが謎の中国人(しかも香港人)である事がばれ、あちきが乗っ取った戸籍がっ!ってどんな妄想だ、あちきよ。
 「この判子ね、良くないです」
 「はい(?)」
 「実印にする判子はもっとしっかりしたのを作らないと、偽造されちゃうかも知れませんからね」
 「はい(納得)」
 「今度ちゃんとしたものを作って、再度登録しなおすと良いですよ」
 「はい」
 「実印はね、とても大切なものですから、ちゃんとした印鑑を作るべきですよ」
 「はい」
 「別にね、水晶で出来ていたり、水牛の角で出来ていたり、象牙で出来ている必要は無いのですから」
 「はい」
とことん心配されてしまったらしい。印鑑も、あちきの財布の中身も。うみゅう、あちきは2月生まれなので、思い切って紫水晶で作ってみても面白いやも知れぬ。その時に窓口のおじ様が如何様な顔をされるかは謎であるが。

○用紙を提出、受付後、さらに別の窓口で呼ばれるのを待つ。呼ばれてやっと印鑑証明カードと、印鑑証明書を発行してもらえたのでした。

○その後、生命保険の窓口で解約をするとこんなに損!という話を延々聞かされるも、パスポート、契約書、印鑑登録証明書、実印、健康保険証、を揃えて微笑んだところ、
 「では、大変勿体無いと思うのですが手続きさせていただきます」
と言われてながらも契約成立。これであちきの生命保険はまっさら。何かで死んでも会社から埋葬費用が出るだけに。一応、米寿までは生きるつもりなので埋葬費用はそれまでに貯めれば良しとする。

○にしても、契約の時は大概の時間に、大概の場所で、ほこほこと契約してくれるのに、解約の時には指定時間に指定された場所になるのってどうなんだろ。む、悔しいなり、悔しいなり。

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