かすみ荘 - 雑文:月見雑文祭参加作品
[もどりゅ]

214. 【月に願いを】 (2002.09.17)

こっそり月見雑文祭

○満月の夜に凶暴化するのは何も狼男だけでなく、英語でルナティックといえば気が狂ったという意味になるらしい。らしいというのは、あちきの語学力はある意味非常に自慢できるレヴェル、お嬢様(狙い)高校で10段階評価のうち2を取得すると言うものであるので、本当にそれで良いのか自信が無いからである。勿論、綴りも書けない。一時は駅前留学も考えたが、わざわざ某米の国の言葉を覚えるのに大枚を叩くくらいなら、ちょっとお隣の国である、中の国の言葉を覚えた方がお得な気がして止めた。いや、通ってないけど、中の国講座には。でもさ、広東語を話せれば、我がご幼少のみぎりからの心の恋人成龍に偶然出会った時、意思疎通が上手く行って、二人は恋に落ちるやも知れぬ、やも知れぬ。中の国の人口は10億を軽く超えているしね。

○そんな訳で何時もいつも基地外電波の様なものが飛んで来ていると自称するあちきも、満月にあやかってお外に出かけた事がある。昨年の話であるが・・・。昨年、健全なあちきは自転車に乗って満月の日に公園に出かけたのだ。ときは晩秋。ススキの原っぱで仲の良さそうなファミリーが狂った様な嬌声をあげている。みゅ、こりではあちきの目的が果たせないではないか。

○あちきの目的、そりは満月の日に、アレをソレすると、とある望みが叶うのだ。どんな望みかというと、秘密である。なぜなら満月のアレでソレは魔術だからだ。魔法、魔法。そう、あちきは魔法使いなのである。マギ、と呼んで頂いても構わない。つまり、レイストリンがマジェーレで、ガンダルフで、ケッチャで、カーラは最後にウッドカーラなのです、って訳がわかりません、あちきよ。

○ともかく、魔術師の活動は主に隠密活動なのであって、神聖なる魔法の儀式を見られたりすれば、たちどころに効力がなくなるものが多かったりする。勿論、見られれば、たちどころにあちきの社会的立場もなくなる可能性を孕んでいる。とはいえ、本日自転車で儀式予定場所に向かう、駄目魔術師あちきの背中のリュックから、大切な魔法の杖、正式名称ロータスワンドの先が飛び出しているあたり、見つかっても構わない、むしろ儀式中の充実しているあちきを見て見て、などという深層心理が働いているのやも知れぬ。止まれ、否、そうではない。我が家の周りに儀式の条件にに合う場所が無いので、わざわざ自転車で下見をしていく先を決めたのだ。つまり、車などの足を持たないあちきが静かにこっそり移動するには、愛車のMTBあんごるもあちゃん一号を駆るしかないのである。今日は月が綺麗だ、見事見事。昔の人は、兎がもちをついているとか、カニが生息しているとかいっていたが、魔女に見えると言う話もあるので、魔術日和であるのだよ、みゅみゅみゅみゅみゅ。自転車でなければこうも月を意識していなかったかも知れない。

○ともかく、儀式である。満月の夜にアレをソレしなくてはならない。今日、出来なければ来月まで待たねばならない。あちきの野望が一歩しりぞいてしまうのだ。嗚呼、あちきのさまざまな野望よ。例えば髪の毛座星雲征服、町内良い人10位入り、ゲートボールチームの結成、プレセベ星雲征服、おなかいっぱいたたみいわしを食べる事、マスクメロン丸ごと一個食い(それくらいのお金はあるのだが我が家では一人で良い物を食べてはいけないという暗黙の家訓がある)、しまりすイラスト中途半端ブレイク・・・・・・・・。まだまだあるのだけれど、今日の野望を満たす為、ファミリーの事など無視して儀式をはじめる事にした。先ずはナイフ(切れない)を取り出してアレをして、次にコレをアレして、ソレして・・・・・・、と、ふと見ると、夏の名残か花火をやっていたファミリーのチビッコがあちきを見ていた。む、何という事だっ!あちきの神聖なる儀式をいくらいくら、公共の場公園だからといって見やがるとは。びゅびゅびゅびゅびゅ(威嚇)。しかも、蚊取り線香を焚いてまで公園の奥で儀式を執り行っていたのにっ!

○とはいえ、あちきの事を見たその兄妹(だと思われ)は、手にもっていた花火をぶんまわしながら、「お母さ〜ん!」などとほざいて視界から消えたのだ。何がお母さん、だ。二人してお母さんか、お父さんの立場はどうなるのだ。呼んでやれ、お父さんも。さっき見たのがそうであろう、そうであろうが、くっ!などと思いつつも、撤退の準備をするあちき。見つかってはいけない、見つかってはいけないとも、大人には、ね。子供であれば、あちきの異様さに畏怖し、今さっきの様に逃亡を図るであろうが、大人の場合、当局に電話されてしまうやも知れない。いや、される。されるね、かなりの確率で。

○ファミリーのちびっこに発見され、本日の儀式は断念、急遽戦略的撤退を余儀なくされたあちきであるが、帰宅すると母がにこにこと笑顔で待っていた。どうやら月見を理由に父が追分団子を買って来たらしい。かなり機嫌の良くなるあちき。もったりとしつつもさっぱりした餡子が素晴らしい。今日は諦めて、来月の満月にでも公園に出かける事にする。

○月の神様は女神様が多く伝承されている様であるが、日本の月の神様は月読、男の神様である。あちきは女子なので、来月はきっと神様の祝福を受けて、満願成就するやもよ、するやもよ。そう思いつつでっかい仏様団子を切ってもち網にて焼く。あれ、でも月読様は魔道士を祝福してくれるだろうか。うみゅみゅみゅみゅ。折角なので焼いた団子をお備えしてみる。ぱんぱん、どうか様々な野望が叶いますように。そんな間抜けな事を考えるあちきを照らす月はやっぱり丸かった。

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月見雑文祭参加作品。表現力不足を痛感中です。

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