かすみ荘 - 雑文:ジュンのパステル日記あちき編
[もどりゅ]

220. 【パステルスパイラル】 (2002.10.07)



○今日から憧れの中学校生活、小学校とは全然違う。鞄だってぴかぴかの革の学鞄(がくばん)だし、可愛いセーラー服も小学校の頃の私服と違って、良い感じ。これって、やっぱ、お・と・な、になった証拠でしょ。うふ、これで素敵な恋が出来たらサイコー。ううん、きっと出来るに決まってる。だって、中学生なんだもん。
 「ジュン、おはよー」
 「あ、ゆきっぺ。おはよー」
 「ジュン、せー服可愛いじゃん」
 「ゆきっぺも似合ってるよ」
 「あ、ジュン、急がないと遅刻しちゃうよ」
 「ウッソー、じゃ、学校まで競争よ」

○あたしが校門に着くと、丁度チャイムが鳴るとこだったの。
 「危ない、危ない、初日から遅刻しちゃうとこだったね」
 ゆきっぺがぺろっと舌を出した。
 ちょうどあたし達後ろで校門が閉まった。
 「君たち、一年生かい?こんなぎりぎりに来るのは感心しないな」
 振り向くと、週番の腕章をつけた背の高い人が立っていた。何かすっごくカッコイイの。きゃ、あたしったら。早速運命ので・あ・い?
 「すみませ〜ん」
 ゆきっぺが先に謝ったので、あたしも慌てて後に続いた。
 「いやいや、ちょっときつく言い過ぎたね。僕は風紀委員長の谷川だ。学校生活で困った事があったら僕のところへ来たまえ」
 「はい〜」
 「委員長、早く職員室に行きませんと。お嬢さん方もお急ぎなさいね」
 谷川先輩の後に続く女の先輩も麗しい〜。あたしの隣でゆきっぺも手を組んでうっとりしてた。何か青春、だよね。

○あたし達が気を取り直してクラス分けが貼ってある体育館に行こうとしたら、突然あたしの目の前に何かが現れたの。
 「きゃぁ!」
 それが急にあたしの視界を塞いだの。びっくり。けど、よく見ると男の人。
 「何よ、急に、脅かさないでよ」
 「ジュン、大丈夫?」
 「悪かったな、苺ちゃん」
 そいつはあたしに笑いながら言った。全然謝ってるとかそうゆうのは無いの。何か面白がってる感じ。
 「遅刻しそうになったんで、ちょっと校門を飛び越えたら、苺ちゃんがいたんだよな」
 「じゃあ、貴方が悪いんじゃない。それと苺ちゃんって何よ?」
 あたしの横でゆきっぺがはらはらしてるのが見えたけど、こいつにしっかりゆっとかないと、谷川先輩も困るもん、うふ、あたしって、気の利く大人の女って、感じじゃない。
 「困ったな、苺ちゃんにかまってる暇無いんだよな。苺ちゃんのお友達、早く一年生は体育館に行かないとまずいんじゃないの?」
 「あ、ほんとだ。ジュン、早く行かないとヤバイよ」
 あたしはゆきっぺに促されてしぶしぶ一緒に走り出した。
 「じゃーな、苺パンツの苺ちゃん!」
 な!や、サイテー!あたしが振り返った時にはアイツはどっかに行っていた。

○「ねーねー、ジュン、こないだの先輩の名前、わかったよぉ」
 「?こないだの先輩って?」
 「ほら、苺ちゃんの」
 ぶ。あたしは飲んでいたブリックパックのジュースを噴出した。
 「あー。ジュン、きったなぁ」
 「アイツ!アイツほんとサイテー。思い出したくも無い」
 「けどさ、ちょっと気にならない。かっこよかったもん」
 「まあ、ちょっとはかっこよかったけどさ」
 「鷹羽先輩ってゆうんだって。何か、この学校の不良グループとやりあったりしてるんだって」
 「それじゃあアイツも不良じゃない」
 「そうなんだけど、でも何か、誰ともつるまないで一匹狼みたいにしてるんだって」
 「ふうん。でもゆきっぺ、そんな話聞いてくるなんて、もしかしてアイツにホの字ってやつぅ?」
 「違うわよ、私は谷川先輩一筋っ!でもあの副委員長の浜中先輩、すっごい美人でしょ。美男美女でお似合いのカップルじゃない。だからこっそり応援っていうか、見てるだけでいいのよ」
 「えー、つまんないじゃない、それじゃ」
 ふふん、とゆきっぺが笑った。
 「私は大人だからね」

○ゆきっぺはやたらと意気込んで風紀委員に立候補した。谷川先輩と浜中先輩に憧れる気持ちは分かるけど、やっぱ、どうせなら両想い、だよね。谷川先輩はかっこいいけど、浜中先輩ってゆう素敵な彼女がいるんだから、あ・た・し、の青春は、「ジュンだけを愛してるよ」とかゆってくれる人がいいもんね。きゃ、あたしったら、ちょっと欲張り?ううん、やっぱ、乙女の理想はそれくらいじゃなくっちゃね。

○ゆきっぺが風紀委員に入ったせいで、今日は一緒に帰れなくなっちゃった。でも、ゆきっぺの恋も応援してあげなくっちゃ。それが、実らない恋でも、あ、でも、それって青春っぽーい。あたしにもそういう憧れの君が出来たらなあ、ううん、ジュン、文句は言っちゃ駄目。自分の恋は自分で掴まなくちゃ。突然に訪れる運命の出会い、運命の赤い糸が小指と小指を結んでいるの。でも、運命って辛いものなのよ、あたしとその恋人、きゃっ、恥ずかしい。その恋人の間を引き裂く出来事。それでもあたし達は愛し合っているから最後には必ず結ばれるの。いやん。それで彼はあたしを見てこう言うわ「ジュン、結婚しよう」きゃー!きやー!

○一人歩きながら色々考えて歩いていると、いつも通っている公園の奥で、何か黒いものが動いていた。この公園には最近野良猫が住んでいて、子供を生んだばっかりだった。可愛いふわふわの子猫に悪さをするやつがいるのかも!頑張れ、ジュン、勇気を出すのよ!
 「コラッ!あなた何してるのっ!」
 くるりと振り向いたのは、アイツ、あの嫌な鷹羽先輩だった。
 「うわ、何だ、大きな声を出して。子猫が驚くじゃないか。って、どっかで見た顔だな」
 何ですって、あんな破廉恥な事をしておいて忘れたなんて許せない。
 「失礼ねっ!痴漢のくせにっ!」
 「痴漢?俺が?」
 「そうよ、あたしの、ぱ、ぱ、ぱ・・・。乙女が口に出せない様な事をしておいてっ!」
 「ぱ?・・・。あ、思い出した、入学式の日の苺ちゃんだ」
 「その苺ちゃんっていうのやめてよ」
 「はいはい」
 「で、何してるの?猫をいじめたりしてるんじゃないでしょうね」
 「何で俺が猫をいじめなくちゃいけないんだよ。それより、一応俺は苺ちゃんの先輩なんだから、タメ口利くのはどうかと思うんだけど」
 「また苺ちゃんってゆった!痴漢を先輩と認めたりしないわよっ」
 「ははは」
 あたしは子猫が心配で、笑ってるコイツを手で押した。やっと見えた猫たちは、何か白いものを飲んでいる。?。で、よく見ると、コイツの手には牛乳パック。
 「毒、盛ってんじゃないでしょうね」
 あたしの台詞コイツは憎たらしい笑顔で返してきた。
 「そう思うんだら残り、飲んでみる?あ、俺が先に飲めばいいんだな」
 というと直接牛乳パックから一口飲んでから、あたしの方に差し出した。
 「な、そんな事したら間接キスになっちゃうじゃない」
 「そんな事気にしてんだ。ふーん。ガキだなあ」
 な!失礼だ!
 思った瞬間にあたしの手が動いて、あたしは景気よくコイツをひっぱたいていた。

○アイツの失礼な行動の数々を聞いて、ゆきっぺは面白そうに笑った。
 「いい人じゃない、鷹羽先輩」
 「何でよー」
 「ジュンが叩いても怒らなかったんでしょ」
 「だって、叩かれるような事をするアイツがいけないのよ」
 「でも猫を可愛がっていたのは事実じゃない。ふーん、鷹羽先輩って、噂と違うのね。私、鷹羽先輩の彼女にしてもらおっかなー」
 「や、やめときなよ。アイツ、とんでもないやつだよ」
 「えー、かっこいいじゃない」
 「そんな事ないわよっ」
 「何でそんなにむきになってるの?もしかしてジュン、鷹羽先輩の事が好きなんじゃない?」
 「や、やめてよ、ゆきっぺ。冗談じゃないわ、何であんなやつ」
 「ふーん、焦るところがあっやしー」
 違うもん、絶対に違う。あたしの王子様はあんながさつで、スケベで、不良なんかじゃない。そう、谷川先輩みたいな・・・。

○何をいってもゆきっぺは聞いてくれなくて、ほら、と校庭を指差す。
 「丁度鷹羽先輩の体育の授業の前だよ。あそこ走ってる」
 あ、ほんとだ。
 でも、何かこうして見るとかっこいいかも・・・。違う、違う、体操着だからちょっとそう見えるだけよ。静まれ、あたしの心臓!

○こうしてあたしのDOKIDOKIの学園生活は始まったの。ああ、早く運命の彼に出会えたら。

次回予告:とっても素敵な人に出会ったの。それは演劇部のアイドル天津先輩。でも、アイツの事もちょっと気になって、あたしってちょっと変?そんなあたしの前に現れたのは、アイツを狙っている番長グループ、東京北部愚連隊。あたしはアイツのまきぞえで、殴り合いの喧嘩の真ん中に!きゃあ、助けて!そんな時あたしを助けてくれたのは!?次回、ジュンのパステル日記激闘編。お楽しみに☆

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いや、続きを書く気は今のところ無いのですが。

元ネタ:小説を読むことの苦痛
関連ネタ:☆ジュンのパステル学園☆
      ☆ザコAのパステル裏方日記☆
      ☆ジュンのパステル日記・色々アレンジ編:日記の中にあります

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