かすみ荘 - 雑文:でも皆焼くな、という。
[もどりゅ]

237. 【美味しくいただく為に】 (2002.12.17)



○父が三重県から牡蠣を取り寄せた。殻つきの牡蠣を山ほどと、剥き牡蠣を山ほどである。現在、あちきの家には4人しか住んでおらず、どう考えても山盛り牡蠣は片付かない様な気もしたが、激しく牡蠣が好きな両親にかかれば何とかなるであろう。第一、剥き牡蠣半分は早速牡蠣ご飯に仕立て上げられてしまったくらいだからだ。好きなだけ食べていいというので、殻つきの牡蠣を6個流し場に持ち込み、殻をこじ開けようとしていると、母に取り上げられた。どうやら、作業の手があぶなっかしかったらしい。みゅ、失礼な。

○ごじごじと平らな側の殻を外す母の隣で、煮えろ水炊きの歌を歌いながら、焼き網を取り出すあちき。アルミホイルを切って網の上に載せる。と、母があちきの行動に気がついて、はたりっと手を止めた。
 「kasumiちゃん、まさか焼くんじゃないでしょうね」
 「焼くのですが何か?」
 「この牡蠣は生で食べて美味しい牡蠣なのよ」
 「生で食べて美味しい牡蠣を焼くと、焼かないといけない牡蠣の何十倍も美味しいのです」
はふぅっとため息をつき、ぽそっと「勿体無い」と呟く母。気にせずに強火で網を温める。そして、焼いた時に出る牡蠣のおつゆが逃げない様に、細心の注意を払って、うやうやしく牡蠣を網の上に配置する。

○あちきの持論では、焼かないで美味しく食べられる貝類は、焼くと劇的に美味しくなるという事になっている。生で食べられるという事は、鮮度抜群と言うことで、鮮度抜群のものを焼けば、それはもう至福の味が作られるのだ。安っぽい加熱用とは全然違う。あえて、そういう贅沢をするあちき。そう、それはあちき的美食倶楽部。

○ちりちりと焼けてきた牡蠣に、お醤油をちみっとたらす。鮮度抜群であれば、お醤油はほんのちみっとでいい。海水を含む牡蠣はほんのり自然に味がついているのだ。熱いうちにはむはむといただくと、それはもう激美味である。結局、文句を言った母に一個取られ、あちきは5個の焼き牡蠣と、一膳の牡蠣ご飯を堪能した。美味しいといいつつ、勿体無いという母。むう、わからないお人である。先日も、あちきがいただきものの生ホタテを火にかけてしまったのをお気に召さない様子であったが、それでもあちきが焼いたホタテをまくまくと食べていたではないか。文句をいうなら食べなければいいのに、と思うが、どうせ焼いたんだから、食べさせろという事らしい。中トロを漬け焼きにした時の目は忘れられない。しかし、それ以上に中トロの漬け焼きはおいしゅうございました。

○そんなこんなでやたらと生を火にかけるあちきであるが、先日、お肉をいただいた。親戚の家に届いたお歳暮である。松坂だかなんだか知らないが、お金持ちはこんなよさげなものをやり取りしているのだな。むう。

○焼き係りを承ったので、オリーブオイルをフライパンに入れ、皆さんのお好みの焼き具合を聞いて順番に焼いていく。自分のを最後に焼いて、食卓へ。いただきます〜。
 「kasumiちゃんそれ、生焼けじゃない?」
 「そですよ、レアが好きだもん」
 「でも生すぎない?」
 「そんな事ないですよ〜」
生でもいける霜降り和牛、何でミディアムやらウェルダンやらにするのですか?硬くなっちゃうじゃないですか。塩コショウして表と裏を強火でじゅってして、塩であっさりいただくのが激美味ではありませぬか。

○今日もご飯がおいしゅうございます。

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