かすみ荘 - 雑文:普通のサラリーマンも拾ってる
[もどりゅ]

265. 【あちき捨てる人、あちら拾う人】 (2003.06.05)



○結構昔から当たり前の様になってきた、退勤時の駅の風物詩に、雑誌を拾うおじさん達がある。おじさん達と言っても年齢には多少幅があり、老齢と言える方もいらさるし、あちきよりも若いやんぐめんもいらっさる。女性はあまりいない、というか、滅多に見かけない。キャリーやそれに順ずるバッグなどを持って、丁寧にゴミ箱やベンチの下にある雑誌等を拾っている。

○この拾われた雑誌は、ご存知の方もおられられりりりだと思うが、大体30円から50円(綺麗さや人気具合で変わるらしい)位で駅の近くで売られている雑誌露天に買い取ってもらう。雑誌露天はそれを大体100円で売る。古本屋簡易バージョンとでもいうのであろうか。この雑誌露天はかなりの数になっていて、個人的にあちこちで見ているのだが、立派な商売として成り立っている。但し、大概のお店はみちぱたで開いているのでおまわりさんに注意されている姿も見たりする。そうなると店主は謝った後、数メートル横に新店舗を完成させるのだ。

○江戸時代、着物がへるへるになると綺麗な所は針刺しやお手玉になったり、ほどいて子供の着物になったり、さらに寝巻きになったり、おしめになったり、雑巾になったり、最後には釜の焚付けになったいするリサイクルもあったが、これも凄いリサイクルである
 雑誌買う>雑誌駅で捨てる>おじさん拾う>店に買われる>人に買われる>駅で捨てる>おじさん拾う>繰り返す
何と駅のゴミ箱に捨てられ続ける限り、延々と読みつづけられるのだ!うしょです、汚れたり破ければそれまでだし、次の号が出ると価値が下がります。

○とにかく、あちきがぶらぶらと帰宅する途中、おじさん達は一生懸命商売に励んでいるのです。このお仕事は買い取り時に確実にお金が手に入るので、お酒を買ったり、あんぱんを買ったりするのにいいらしいのです。日銭が入るという事も、江戸時代っぽくてぐうです、ぐう!そして、あちきとおじさん達の戦いが行われる日があるのでする。む〜ん。あちきは活字中毒なので、本も雑誌もよく読みます。かなり減らしたのですが、現在買っている雑誌が、
 週間文春(毎号) 週間SPA(隔週程度) 横浜ウォーカー(隔週程度) 散歩の達人(毎号) 少年サンデー(毎号) 超少年サンデー(毎号) kiss(毎号) GOLD(毎号) ホラーM(毎号) その他、特集が面白そうなものを購入
と言った感じで、そのうちの半分位を駅のゴミ箱にぽいするです。また、単行本や文庫本を古本屋で買って、とっておく本ではないと認識すると、駅のゴミ箱にぽいするです。つまり、あちきは卸問屋さんなのです<違います。文庫本とかを古本屋に持ち込むのは手間だし、まとめなくちゃだから重いし、ゴミ箱でも分別されるからリサイクルだし。

○あの日も持っていた週刊誌をぽいしようかと思い、駅のゴミ箱に近づいたのです。にゅふふんにゅふふん。が、ぽいする寸前に特集の中にあちきのママンが好きそうな内容があったのを思い出して、手を止めたのです。と、背後に、殺気を感じました。みゅ、あちきを狙う組織の者か?そりとも、逆に熱心なあちきのスト−カーか?しゅしゅっと横に移動して、そっと覗うと、雑誌拾いのおじさんで、相手もあちきの動きを覗っています。きっと心の中で、捨てるんならとっとと捨てやがれり〜とか思っているに違いありません。無言のプレッシャーをかけられつつも、捨てるかどうしようか悩むあちき。今考えてみれば、持って帰る事に決めていたのだから、そこで悩む必要は無いのだけれど、どうもこの期待に満ちたおじさんの熱い思いを無下にするのもどうかと感じてしまったのですよ。

○も〜みゅ、と頭の中で唱えつつ、やっぱり持って帰ろうと思い、心の中でおじさんに手を合わせつつも、おじさんを空手で帰すのもあちきのなかの小人さんがいけないというので、鞄の中から1冊の捨ててもいい文庫本を取り出して、ゴミ箱にぽいしたのです。ぽいっと。すると、おじさんはさすっと動いて、あちきが捨てたばかりの本を拾いました。その手つきも鮮やかです。次の瞬間、おじさんの口から文庫本の題名が漏れました。おじさんの顔が何だか微妙な表情に・・・。

「異常快楽殺人・・・」

○どうやらあちきはおじさんに何かしらの精神だめぇじを与えてしまったようです。みゅ、高々そんな本くらいで微妙な表情をなさってはいけません。その本には、アンドレイチカチーロや、ジェフリーダーマーの殺人行為内容が書かれており、生きていく上で全く役に立ちませんが、資料としては大変面白いものです。・・・・・・・・・。えと、次に日本戦後猟奇殺人の本を捨てたいのですが、よろしいでしょうか?

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