かすみ荘 - 雑文:こんにちわ、あかちゃ〜む
[もどりゅ]

287. 【出産前の検査にて】 (2004.11.23)



○2004年の6月、あちきは来月出産を控えた妊婦さんになっていた。なっていたが、まだ予定日より10日以上あるし〜初産婦さんは予定日以降が多いってゆうし〜、などとお気楽に考えていて、5月の半ばに取った免許をフルに活用して、車で走り回ったりしていた<駄目すぎです。

○6月25日に定期検査となっていて、その前々日の夜中、激痛で目が覚めた。おにゃかが痛い。丸まりたい所だが、9ヶ月のまん丸お腹が邪魔になってどうしようも無い。痛くて涙が出て来たが、あちきの脳裏にふとよぎった考えは「腸内のガスだったらどうしよう・・・」であった。かつて、真夜中に病院に行った時、そう診察されて打ちのめされたあちきである。妊婦が夜中の病院に緊急連絡などしたら、それはもう大騒ぎになるに違いない。夫の人の実家、あちきの実家、夫の人の親戚、あちきの親戚、あちこちにすわ、早産か?という情報が飛び交ったにも関わらず、ガスでしたwなどという落ちが付いたら、アイドルであるあちきの立場が無くなってしまうではないか!<アイドルではありません。

○うんうんと唸りながら、少しでも楽な体勢を確保すべく、大きなお腹を抱えて深夜に画策するあちき。隣には、太平楽に寝ている夫の人。幸せそうである。あちきの苦しい声など届いていない様子だ。愛はもう無いのかも知れない。のたのたとリビングに行き、クッションを抱えると、ベッドに戻り、背中に当てて座った状態にしてみる。痛いけど、激痛は無くなった。うみゅ、このまま睡魔に勝って貰えばいいのだな。と、痛みを意識しない為に、深呼吸をしていたら、いつの間にか朝になっており、痛みも引いていた。なーんだ、治っちゃったw朝まで痛かったら、病院に行こうと思ったのに〜。

○検査前日、仕事から帰ってきた夫の人に、昨夜の苦しみを訴えるが、大変だったね、ごめんね、で終了される。む〜みゅ、起きろ、とは言わないにょ。お仕事あるから。けど、愛のぱぅわぁで起きてくれても良いと思うのだ〜。などと勝手な事を考えながら、先にベッドに潜り込む。・・・・・・・・・・・・。激痛で目が覚める。夫の人は幸せそうな寝息をたてており、あちきの苦しみの声など届きもしない。しくしくしく。昨夜と同じポーズをとり、深呼吸開始。あちきの素晴らしい睡魔様はやがてあちきを眠りの彼方に運んでくれ、またしても朝には痛みはすっきりとひいていた。

○定期検査当日。夜中に激痛がした事を言わないと〜と思いつつ、病院へ。母子手帳を出し、順番を待ち、体重、血圧を測る。産婦人科の待合室は、ドアの中にあって、最初は廊下の椅子で待つのだけれど、呼ばれたら中に入る事になっている。大きなお腹、小さなお腹、時々婦人科の患者さんに、怖い目で見られている時があったりもする。婦人科の患者さんは、不妊治療の方もいらっしゃるので、睨まれても気にはしない。

○お腹の計測の後、触診へ。あかちゃんの出口である子宮底はまだ開いていない、つまりまだ出産は先だって事らしい。さらに今日はすぺさる検査があるのだ。お腹に機械をつけて、赤ちゃんの呼吸や心臓の様子を探るという、謎の検査である。謎の検査は、産婦人科ではなく、陣痛室なる、部屋で行われるのだそうな。陣痛室は時の如く、出産を控え、陣痛が定間隔で発生し、いつでも分娩室へ移動出来る状態になった妊婦さんが、一人陣痛に耐える部屋らしい。実に痛そうなオーラが蔓延した部屋である。なので、産婦人科の診察室を出て陣痛室に向かう。デリケートな場所、分娩室はインタフォンの向こうにあるので、そこをぶしっと押して、来月お世話になるであろう、助産士さんに色々と説明と検査の準備をして貰った。

○謎の機械は大好きだが、30分はじっとしていて下さい、と苦手な安静を最初に言われ、時間つぶしに本を出しても?と聞くと「駄目です」と言下に禁止された。しくしく。プリンターが内蔵され、結果をつながった記録用紙に書き込み吐き出す変な機械から伸びる2本のコード、その先にプラスティックの直径7センチほどの大判焼きみたいなものが付いている。それをお腹にぺてし、と置いてからベルトで固定して、30分、計測をするのだそうな。ぺてし。真上を向いていないといけないから、お腹がかなり重い。そして、さりげなくエンドレスで流れている隣のト某のオルゴールイントゥルメンタルが流れているのが、嫌な気分に拍車をかける。別に隣のト某が嫌いなのではない。妊娠して、胎教とかで聞くと良いのがそれだといって親切な友人がダビングしてくれたのを何回も聞いていたので、あきたのだ。しくしくしくしく。

○さて、30分どころか40分は待たされて、やっと助産士さんがやって来た。記録用紙はべろべろと床に落ち、屏風のようになっている。結果を見ても、4本の線がびこびこと波を打っているだけで、あちきにはさっぱりわからないが、助産士さんは用紙を見て顔をしかめた。
「kasumiさん、具合悪くありませんか?」
「大丈夫です〜」
「お腹が痛かったりしませんか?」
「重かったですけど大丈夫ですよ〜」
助産士さんに結果を渡され、産科へ逆戻り。定期検査の結果を先生から話される。
「赤ちゃんの心音も大丈夫だし、体重がちょっと増えすぎだけど、まあ、元が細いからね」
「はぁ・・・。体重、もうちょっと気にします」
「うん、それでね、さっきやって来てもらった検査なんだけど」
「はい」
「明日暇?ちょっと気になる結果が出てるんだよね。明日もう一回検査しに来られる?」
「はい」
「子宮底も開いてないし、赤ちゃんの心音も大丈夫だし、そんなに気にする事も無いんだけどね。散歩を兼ねた念のためだと思ってさ」
「わかりました」

○そう、あちきは言い損なっていたのである。夜中に激痛がした事を。先生の子宮底云々の話や、気にする事も無い、念のためと言う言葉に安心していたのだ。第一、朝からぴんぴんしていたのだし、9割以上ガスだと思っていたのだ。それどころか、二回も検査をしたという雑文のネタになると思って家路についてしまったのだ・・・。翌日、それが大騒ぎを生む事になるとは知らずに・・・。

>続く

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