かすみ荘 - 雑文:私の方が我慢強かったのです
[もどりゅ]

291. 【インドの人とヨガ行者】 (2005.06.14)

○仕事を辞めて早1年と数ヶ月、CADの扱いなんぞ、さっぱり忘れていると思しきあちきですが、仕事を辞めた時期は間違っていなかったのでして、辞めて2ヶ月後には妊娠発覚、翌年には出産していたのです、記憶によれば。ぃぁ、まぁ、最近めっきり時間の感覚がおかしくなっておりまして、曜日の感覚が無くなるってこういう事なのねん、などと考えたりしているのですよ、ぁぃぁぃ。

○去年の今頃といえば、ひゃっほぉ、免許試験一発合格で素敵なあちき、などと騒ぎながら、ぽてっとしたお腹でドライブしていたものです。それで早々にデパートの車庫入れ失敗して、車両保険の等級が下がったんだったな。・・・・・・。くぅ、思い出したくもない事を思い出してしまったぞ。

○仕事をしていた時のお昼のお楽しみと言えば、インドの人の食事風景をこっそり見る事だったのですが、退職してからはインドの人の知り合いなどいる訳もなく、嗚呼、インドの人たちは、今日も白ご飯にピーナッツと水をかけて食べているのだろうか、などと思いを馳せておりましたよ。

○さてさて、そんなあちきに神様が粋な出会いを下さいました。出産の時、あちきの出産日の翌日、インドの人妊婦さんに出会わせて下さったのです。麻酔が切れて、七転八倒の苦しみを乗り越えた翌日、インドの人妊婦さんが入院なさって来ました。帝王切開で3000gある女児を出産されたのち、あちきが転がっているHCUに入室です。

○さて、夫の人はかねてよりあちきがインドの人に並ならぬ興味を示していたので、「あまりじろじろ見ちゃだめだよ」などと注意をかましてきました。む〜みゅ、じろじろ見る気は無いのです。あちきが知りたいのは、インドの人はどうやって麻酔の切れた夜を乗り切るか、なのですよ。いいですか?インドの人なのですよ?インドと言えばヨガ行者。あちきが苦しんで苦しんで苦しみ抜いて、気が付いたら痛みを堪えるためにベッドを掴んでいた手が真っ赤に鬱血していたあの状況を、如何にするっと乗り越えるかを見たいのですよ。だ〜いじょ〜び、見るのは夜だから。もっきょっきょ。きっとインドの秘法が炸裂するに違いないのです。激痛などものともせず、熟睡をするに違いないのです。とはいえ、いくらインドの人とはいえ、何らかの儀式をしないと痛みはやって来ると思うのですよ。そのインドの秘法さえ手に入れてしまえば、あちきは今後痛い思いをしそうになった時大活躍するに違いないのです。

○夜。入れ替わり立ち替わりやって来ていた、凄い人数のインドの人ファミリーも帰宅し、インドの人もやっと静かになってゆっくりと横になっておられました。あちきも昨日殆ど眠れなかったので、痛みもあるにはあるものの、痛み止めもそれなりに効いて眠くなりました。ねむ、ねむ、ね・・・ぐ〜。

 「あああああああああああああああああああああああああああああ!」
はぅあっ!何ですか!?事件ですか?今の絶叫は何ですか?
 「くああああああああああああああああああああああああああああ!」
な、何とインド人の人ではありませんか。
 ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶー!
ナースコール押しまくりじゃありませんか!?
 「マハティさん(仮名)どうされましたか?」
 「イタイデス!トテモイタイデス!」
 「次の痛み止めまで1時間我慢出来ませんか?」
 「ムリデス!シンデシマイマス!」
き、奇跡の国、インドの人なのに。

○結局、マハティさん(仮名)は、30分〜1時間おきに絶叫と共にナースコールをがっつりと押し、その度にあちきが起きるという羽目に。ああ、昨夜眠れなかった分もがんがん寝ようと思っていたのに。
 「起こしてしまってすみませんね」
と、看護士さんが謝ってくれるものの、目が覚めてしまうのは如何ともしがたい。

○翌日、お見舞いにやって来た夫の人にその事を話した。
 「kasumiっち、根本から貴方は間違っています」
 「みょ?」
 「いいですか、インド人は痛みに弱いんです」
 「ヨガ行者は?ヨガ行者いるにょ?ヨガ行者強い」
 「いいですか、逆なんですよ。インド人は痛みに弱いから、痛みに強い人が尊敬されるんですよ。インド人は全員ヨガ行者ですか?ヨガ行者は自分達には耐えられない痛みに耐える人だからこそ、インド人に尊敬されているのです。マハティ(仮名)さんはただの元妊婦さんで、ヨガ行者では無いのです」

○何となく言いくるめられた様な気もするけれど、そう言われると正しいような。実際マハティさん(仮名)は翌日の昼間も痛がっていたし。インドの人、まだまだ謎は多いみたいです。

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