かすみ荘 - 雑文:俺の眠りを邪魔するやつは許さん、らしいのです
[もどりゅ]

298. 【夫の人のどす黒い秘密】 (2006.11.08)
○黒いです、真っ黒です。あまりのどす黒さに恐ろしくなってしまいます。

○夫の人はとっても優しい夫の人であり、とっても優しい父親の人でもあります。ありますが、時に恐ろしい変化をする事があるのです、あるのです。それはそう、眠い時。夫の人のメイン人格が眠りの神ヒュプノスのかいなに捕らえられ、眠りの彼方に連れ去られた時、黒旦那は降臨するのです。通称黒徳。

○黒徳はただ寝ている時はその黒さを見せる事はありません。しかし、ひとたび誰かがその眠りを妨げた時、黒徳はその力を振るうのです、振るうのです。結婚してから、夫の人はあちきをその大いなるいびきによってあちきの睡眠を妨害した事が何回もありました。しかしながら、起こされるのは常にあちき側、夫の人の暗黒面を見るのは出産してからだったのです。むきゃー!

○黒徳の鮮烈なるデビューは、ぽちぞう出産一ヵ月後でありました。出産後実家に一ヶ月厄介になったあちきは、生後一ヶ月の赤ちゃんぽちぞうと一緒に家に帰ったのです。3時間おきにきっちり起きて泣くぽちぞう。その度にオムツを替え、ミルクを作り、ミルクをあげ、げっぷをさせ、オムツを替え、ぽちぞうを寝かせて、哺乳瓶を洗って消毒するあちき。ぽちぞうは3時間おきに起きるのですが、あちきは色々と作業をしなくてはならないし、寝なおしするにも直ぐには眠れないので結局連続して眠れるのは1時間くらいと過酷な日々を送っていたのでした。

○夫の人は優しい素敵旦那なので、夜中の11時のオムツ替えやミルクをあげてくれていました。夜中の2時のミルクも、起きていたらあげてくれましていました。ああ、何て優しく慈悲深く思いやりのある、素敵夫の人、素敵ダディ。しかし、明け方のミルクはどんな絶叫をぽちぞうがしても、一度たりとも起きませんでした。その代わり、あの忌まわしい黒徳が表れたのです。じゃじゃ〜ん。

○突如出現した黒徳はむっくりとその体を起こし、どすの効いた声で「うるせぇ!」と呟くと、ばたっと倒れてしまったのです。それが黒徳襲来の始まりだったのです。そして、ぽちぞうが明け方ミルクを欲しがる時に激しく泣く度に、黒徳は表れました。怖い顔、どすの効いた低い声、時には目を細め、時には目を固くつぶったまま、黒徳は表れたのでした。しくしくしく。こっちは明け方に起きて、ふらふらする頭で一生懸命ぽちぞうの世話をしているのに、昼間は優しい夫の人なのに、「黙らせろ」とか「うるせぇ」とか「早く寝ろ」とか言って来るのです、来るのです。ひどい、酷すぎる!と、思ったので、昼間夫の人に抗議してみました。すると・・・・・・

 「?。僕毎日ぐっすり寝てるよ?」

にょ、にょんですとー!?

○そう、夫の人には黒徳の記憶が全く無いのです。確かに、記憶があれば起きてから「夜中に酷い事言ってごめんね」と言って来たに違いないのです。夫の人は「ごめん」がいえる人なのです。NO!と言える日本人なのです←全くもって意味が違います

○夫の人の第二人格である黒徳、それは夫の人の睡眠を妨害するものが現れると、自動的に召還され、戦闘作業を行い、そして自動的に夫の人の深層心理の狭間に帰還する、恐ろしい自己防衛システムである事が判明したのです。む〜みゅ、奥が深い。

○ぽちぞうはお父さんが大好きです。時々真夜中に目が覚めると、お父さんの抱っこを要求します。夫の人は起きたくないという本能が働き、起こすな防衛レベル1が発動し、自動的に布団に包まるのです。この時点では黒徳は発動していません。しかし、いつまでも抱っこしてもらえない事に不満を抱いたぽちぞうが泣き出します。こうなると夫の人の防衛レベルは2に上昇し、ぐるぐると布団に包まれたまま、ぽちぞうのいない方向へ頭を移動させます。つまり、ベッドの上で180度逆方向を向くのです。ところが、ここで諦めるぽちぞうではありません。泣き声はさらにヒートアップ、ぐるぐる布団まきまきの上にのしかかった瞬間、防衛レベル3黒徳が発動されるのです。

 「さっきからぎゃあぎゃあうるせぇんだよ!寝ろボケ!」

恐ろしい言葉が口から発せられ、ベッドの上で投げ飛ばされるぽちぞう。さらに止めとばかりにタオルケットをぽちぞうにぐいぐい押し付ける夫の人。絶叫するぽちぞう。

○たとえ防衛レベル2でも、あちきが泣き止ませられないと、黒徳は発動してしまうので用心が必要なのです。それにしても、こんな目にあわされるにもかかわらず、夜泣きする度にお父さんに助けを求め、あちきの抱っこを断固拒否するぽちぞうには畏敬の念すら抱いてしまうのです。ぁぃ。

○そんな訳で、夫の人には恐ろしい第二人格があると知ってもう3年目です。そして、その第二人格の召還を止めるすべを未だに見つける事は出来ていません。しくしくしくしく。

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