かすみ荘 - 父とわたくし:父と糠床
[もどりゅ]

ACT005:父と糠漬(2000.09.12)


かすみの家ではぬかづけを作っている。かすみは嫌いなので直接関わらない様にしているのだが、母が旅行行くと栄光ある?夜にぬかどこをかき混ぜる係?をおおせつかる破目になる。その場で臭いのはまだいいとして、会社で仕事中「さーて」と検討する時に右手を口元に持って行く癖のあるかすみは「ああ、そおいえばかき混ぜたんだよねぇ」と思い知る事になるのだ。だからこの匂いが嫌なんだけど。

さて、そんなこんなで母が海外旅行に行く事になった。父も強制連行していってくれれば楽なのだが、マッダーム仲間ツアーなので置いてきぼり。まあ、仕事もあったし、仕方が無いので会社を定時であがりつつ(これでCADオペなんだからどうしようもないすちゃらか社員であろう)夕飯の支度をし、(妹はあてにならない)頼まれた糠漬番をつとめる事にした。

翌日の夕方、会社から帰宅しぬかどこをのぞくときゅうりとなすを入れたはずなのになすがこつぜんと姿を消していた。全部ひっくり返してかき混ぜたのに?まさかなす一本が一夜で吸収、そんな訳が無い。帰って来た父に聞いてみる事にした。

「お父さん、ぬかどこのなす出した?」

「うん、朝食べた。なすは水分が多いから半日でちょうどいいと思う。朝は僕がかき回しておいたから」

そりはありがたい。・・・とは思わず、別に一日一回でいいんじゃないかなーと感じたのだが、意外にもぬかどこの匂いは良くなっていくのがはっきりわかるようになったのです。そして、それに正比例して父はその話題を振ってくる様になりました。

「やっぱり毎日朝晩ぬかをかきまぜるといいな。お母さんも朝晩まぜればいいんだよな」

これを食事中に5,6回聞かされるのです。T△Tさらに、なぜか普通の話をしているのに話題がぬかどこに・・・

残念ながら父の言う最高のぬかどこは母の帰宅により無くなってしまいました。もちろん母が一日一回かき混ぜるというペースに戻してしまったからです。親孝行をするべく、こっそりぬかどこかきまぜてあげようかな、とも思うのですが、出勤前にかき混ぜると勤務中そこはかとないぬかの香りに悩まされる為、いまだ実現はしていないのです。

教訓:とりあえずおいしい糠漬があれば父の機嫌はちょっと良くなる


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