かすみ荘 - 父とわたくし:父と七転八倒する娘
[もどりゅ]

ACT012:父と七転八倒する娘(2001.02.09)


◇お腹の下側が痛いのである。それも激烈に痛いのである。

◇過去の話であり、今となってはどれほど痛かったかは明確には表わせないのだが、当時の状況としてやばい汗が出てくるほど痛かった。夜、布団に入ってから痛くなり、痛み止めを飲んでも効かず、真夜中の時点で立ち上がれないほどの激痛になっていた。それでもがんばった。あの時の自分を誉めてあげたいくらいがんばっていた。朝までがんばろうと思ったのだが、もしかすると盲腸炎やも知れぬ。盲腸炎を我慢すると百害あって一利無しなのである。死んじゃうかも知れない。

◇ずりずりとベットから這いずり落ちて、廊下をじりじりと移動する。痛みのせいでかめさんよりも遅いスピードしか出ない。と、いってもかめさんとちゃんと比較はしていませんけどね。かめって時速何キロくらいなのであろう。

「あ゙〜げ〜で〜」

◇両親の寝室の前で訴えるかすみ。扉は外に開くタイプなので、こちとら引っ張る力が残されていないのである。開門願うのでありますぅ〜と、弱っちい声で訴える。

ごす。

◇開門したその扉はかすみの脳天にぶちあたった。

ごりごりごり。

「あなた何してるの?」

◇母がぶちあたったままドアを開けた為、無力に廊下で移動させられるかすみ。ごろごろと転がりつつ、部屋に侵入する。とにかく激烈にお腹が痛いという事を切れ切れに伝えるが、朝まで我慢しろという。

「も・・お・・・ちょー・・・かも・・し・・ん・・・ない」

◇とにかく痛いので動くのもままならず、うーんとうなりながら訴える。ごろごろ。部屋に戻る事も不可能なので、むぅむぅうなりながらうめいていると、

「うるさいから早く病院に連れて行け。俺は仕事だ」

◇何とした事でせうか。父は毛布にみのむし状態になって包まり、俺、絶対動かないもんねってな感じの様子で母に命令した。娘が苦しんでいるので早く病院に連れて行けではなく、俺がうるさくて眠れないから、それを排除せよとのお達しなのである。

◇常日頃、子供に優しい父は、自分の睡眠時間と子供であれば、睡眠時間をとるという人間だったのである。夜中の救急病院から帰還すると、気持ちよさそうに父が寝ているのを母は目の当たりにし、ちょっぴり殺意が沸いたとのちに語っている。

教訓:子供より睡眠時間を取る親をもった場合、夜中は自分で救急車を呼ぶべきであろう。

ちなみに激痛の原因は盲腸では無かったのである。(何だったかは秘密)


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