かすみ荘 - 父とわたくし:父と横浜博
[もどりゅ]

ACT014:父と横浜博(2001.02.19)


◇YES!89、こんな別名が付いていたのだ。今から(2001年)12年前の話である。現在、みなとみらい地区と呼ばれ、ランドマークタワーやat’がある地域で博覧会が開かれたのだ。ちなみにマスコットキャラは地球を抱えた天使風のブルアちゃん。何がYES!何だか知らないが、とにかくYES!らしい。!がポイントね。

◇地元の民としてかすみは何回も横浜博に出かけた。というか、学校に入場券が置いてあったのである。入場者を増やす為の画策だったのかも知れぬが。

◇ので、父が家族揃って、博覧会に行こうといった時にそれを断って友達と遊ぶ事にして、夕方からの留守番をおおせつかった。一人寂しくテレビを見たり、冷蔵庫をあさっていんちき料理をしたりしていると、電話が鳴ったのである。

「あ、お父さん。皆がはぐれた」

◇父の声が電話から聞こえる。あ、お父さんとは父があ、かすみか。お父さんだよ。の略であろう。文にすると娘がお父さんに話し掛けている様だが。皆がはぐれたので父は家に電話をして来たという。もう少し経ってからもう一度電話をする、と言って電話を切る。しばらくすると、また電話が鳴った。

「あ、かすみちゃん?お母さん。お父さんがはぐれたの。電話無い?」

◇母である。母の話によると、皆であるパビリオンに入ったところ、父の調子が悪くなってしまい、一人で先に出たらしい。ところが、母と弟と妹がパビリオンから出てみると、父が周囲にいない、父がはぐれてしまったという。電話があった事を伝えると、じゃあ、もう少し探してみると母がいい、もしも父から連絡があったら、怪獣(そうゆう模型があった)の下で弟と妹が待ってる。母は周りを探すと伝えてくれ、と承って電話を切った。電話が鳴った。

「お父さん。もう、帰る」

「えー。お母さんから電話があって(説明)ってゆってたよ」

「わかった。でも疲れたから帰る」

◇母の電話ののち一時間ほど経っただろうか。また母から電話。

「一時間探したのに・・・」

「お父さん、疲れたから帰るって」

「!!!」

◇母はちょっとの間文句を言っていたが、かすみに言っても仕方が無いと思ったらしく、今から帰宅すると言って電話を切った。そうこうしていると父が帰宅した。母が文句を言ってたよ、と伝えても全然意に介さず、お風呂に入ってしまったのだ。母達も帰宅したので、お風呂に入っているというと、母の形相が変わった。当然であろう。一時間、幼い子供を二人も抱えて父を捜していたのだ。その父が、とっとと帰っただけではあきたらず、呑気に入浴と来たもんだ、である。風呂上がりの父に文句を言う母。すると、

「だって皆がはぐれたんじゃないか。風呂だって順番に入らないと混むだろう?」

◇最後まで自分がはぐれたのではなく、皆がはぐれたと譲らない父に、母達もあきらめて父の方が正しいという事にしたのだった。

教訓:謝らずに自分の正当性を主張すると通る時がある。

ちなみに、出口と入口が反対方向にあった為、また、父が同じ所にじっとしていられない為に、この事件はおこったと後に判明したのだった。


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