かすみ荘 - 父とわたくし:父と誕生日プレゼント
[もどりゅ]

ACT015:父と誕生日(2001.03.01)


◇沙羅家では、いまだに誕生日にはプレゼントをあげるというルールがある。成人した娘だろうが、何だろうが、家族というものは絆を持たねばなるまい、という暗黙のルールだ。ファミリーの結束が強いのはシシリーマフィアだが、沙羅家の結束もなぜか強い。

◇さて、一年が始まり、誕生日トップはかすみである。次いで、母、父、妹、弟となっており、お誕生日が近づくと、おのおのプレゼントを用意しだし、誕生日の朝、本人が寝ている時に部屋の前にこっそり置くという、ばればれな間抜けっぷりを展開している。

◇そんなこんなで2000年2月である。かすみの誕生日が目前になった時、父は苦渋の選択に迫られていた、らしい。出勤時、車で出た父は、バスに乗るべくちょっと前を歩いていたかすみを捕まえ、駅まで乗って行けと言う。こちとら今だに部屋が秘密基地状態になっているので、説教かくごでおどおどとイプサムに乗り込んだ。

「この間、久しぶりにスキーにいったけど、ちゃんと滑れたよ。やっぱりお父さん達が小さい頃からスクールに入れてくれたりしたからだね」

「・・・」

◇ああ、沈黙が恐ひ。しばらくかすみが話し続け、ふと話を切ると、

「かすみに片付けの事で怒っても仕方が無いが、約束したんだからやってくれ」

「は、はい」

「お父さん、考えたんだけどな、約束守れない間は誕生日プレゼントをあげられない。でも、お母さんも(今月)誕生日だ。だから、片付くまでかすみのプレゼントは保留だ」

「はい(?)」

「部屋が片付かない間はかすみは歳を取らない」

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?

◇そうこうしているうちに、車は最寄り駅に到着した。父は微笑みを浮かべて去って行った。会心の作戦、らしい。

教訓:誕生日は大イベント。家族の誕生日は忘れてはいけない。

うみゅう、どうやらかすみ、今年は歳をとれなさそうだ。(っつーか父がかわいそうだから片付けろよ)


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