かすみ荘 - 父とわたくし:父とギリシア:ヒースロー空港で1人きり
[もどりゅ]

ACT026:父とギリシア:ヒースロー空港で1人きり(2001.05.16)


◇退職して一週間ちょい、父が毎日家にいるのがこれほどうざったい、じゃなかった、重々しい事になるとは思いませんでした。再就職の初日は5月のゴールデンウィーク明けですから、一ヶ月ほどぷらぷらしていられる訳です。ともあれ、父は毎日植木に水をやったり、犬と遊んだり、マジックの練習をしたり、カメラを手入れしたりしていたのですが、前々から楽しみにしていたギリシア旅行に出発する事に相成りました。父言葉で出発は、しゅっぱつとは読まず、でっぱつと読みます。でっぱつでっぱつと浮かれる父は子供の様。流石、還暦を迎え赤ちゃんに戻っただけの事はあります。

◇魅惑のエーゲ海クルーズ付、ギリシアツアー一週間に(日本時間で7泊8日)出かけるその姿に、一抹の不安を感じつつ、その背中に別れを告げたかすみなのでした。

◇さて、成田をたち雲の上の人になって数時間。エコノミークラスながらも、サービスのアルコールを一杯いただき、座席に付いている色々な機能をいじくり倒し、TVランチをいただいて、一眠りしていたところ、イギリスはヒースロー空港に到着した。行き先はギリシアであるのに、何故グレートブリテン共和国に降り立たねばならないのか。飛行機を乗り換える必要があるからだ。両親の乗った飛行機は、ギリシア直通では無かったのでする。乗り換え時間は1時間。海外旅行経験の無いかすみから言わせていただければ、たかだか乗り換え如きに1時間もかけるのはおかしのだけれど、そゆ訳にもいかないらしい。トランクを降ろしてもらって、己のトランクを確実に手中に収め、何やらゲートで手続きをしなくてはならない、らしい。うみゅ、やった事がないので、らしいばかりの文章になっているらしい。

◇手続きのゲートは3個所。父はまだるっこしいのは大嫌いな性分なので、一番遠方の短いゲートに並んだ。しかしながら、同じツアー客は誰も、母すらも、そのゲートには並ばなかったのである。もちろん、その後の展開は予想するまでも無い。父、60歳、ヒースロー空港で迷子である。ゲートを出た後、右に行かなくてはいけない所を左に向かったのである。左向きというのは、先に中華人民共和国に行ったからだろうか、思想が左になったのだろうか、だとすればおそるべし、四千年の歴史。違うか。

◇父に言わせると、左の方が広かったらしい。広い方に、広い方に行くと言うのは誠に壮大でおおらかで結構なのだけれど、皆を見ていないというのはいけない。父はもともときょろきょろしたりするのが大嫌いだったりする。ので、人間は心にゆとりを持たねばならないと理由付けし、歩く時も悠然と前方を見て歩かねばいけないと有言実行。結果、こういう目に会うのだ。

◇おかげさまで、母と添乗員さんは青くなり、約10分後にぶらぶら歩く父を捕獲したのでした。にしても、過去、YES89時代と違って家に戻って風呂に入るなどという行為は不可能であるが、呑気に空港内のショップを覗いていたという衝撃の行動をしていたという事実は否めない。お金も持っていないのに・・・。

◇でっぱつしょっぱなからこの事態である。以下、さまざまな事が起こるのだが、それは聞き出し次第書いていこうと思っているかすみなのだ。

教訓:自由人からは目を離すな。還暦過ぎたら子供と一緒。


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