かすみ荘 - 父とわたくし:父と狼男
[もどりゅ]

ACT028:父と狼男(2001.05.16)


◇かすみの妹の恐いもの見たさ度は、平均的な日本人のそれを上回っているのだが、恐がり度も平均的な日本人のそれを上回っている。かすみ家の女子3人揃って、恐い番組を見終わった後、妹君は恐いので今夜はお風呂に入らない、と言い出した。

◇その話を聞いて、父が妹をからかいだした。嬉しそうにからかっている父に、母が父の隠されていた過去を語ったのである。そう、父も妹の恐がりは父からの遺伝だったのである。

◇狼男、という邦画がある。かなり古い映画である。画面はモノクロ。かすみは見た事が無いのでどの様な映画化は解らない。解らない、が、そんなに恐がるほどの映画では無いという母の証言がある。

◇さて、それは両親が結婚したての、新婚ほやほやの頃の話である。2人は仲良く洋画劇場を見ていた。洋画劇場といいつつ、邦画がやっていたのはまあ、今も有る事なので問題は無い、無い事にする。いいんだ、それは、こちとらでは対処出来ないから。とにかく見てたの。そして放映していたのが、前述の狼男だったんです。

◇新婚の2人は仲良く番組を見終わって、さて、寝ますか、という事になったのだけど、

「おい」

◇父が母を呼び止めた。

「トイレに行くからついて来てくれ」

◇冗談だと思った、と母は言う。当然である、どう考えたって冗談としか取れない様な台詞なのだから。でも、冗談ではなかった。父は母を御不浄の前に待たし、ドアの隙間から手を出して、母の服を掴んで用を足したのであった。この時、母がこの結婚をちょっと後悔し、これからの結婚生活にそれなりの不安を感じた事は言うまでもない。

教訓:父曰く、以来、そういう番組は見ない事にしている。賢いだろ。


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