かすみ荘 - 父とわたくし:父とバナナ
[もどりゅ]

ACT029:父とバナナ(2001.05.16)


◇世の中の人間は大まかに二つに分類できる。ほぼ毎日バナナを一本食べて育った人間と、そうでない人間。これを書いているかすみは、ほぼ毎日バナナを一本食べていた。正確には食べさせられていた、なのだけれど、父のお父様、おじいちゃんがバナナに固執していたのがその原因だったりする。昔話をする時にバナナは高級品であった、というテーマが必ず出てくるくらい、おじいちゃんはバナナに並みならぬ思いを抱いていた。自分の子供が病気になると、高いお金を払って、バナナとたまごを与えちゃうくらいの子供思いの父親だったと聞いた。

◇とにかく、父が子供の頃はバナナとたまごは高級品だった。ので、病気にならないと食べられないという幼少の頃の思い出があるという。その為、現在の二束三文でバナナが食べられるという、バナナパラダイス状態はかなりうれしいらしい。そういえば、故人であるおじいちゃんもよく子供かすみとバナナを買いに行ったもんだ。そんでもって、昔は高級品だったんだよ、と何回も聞かされたもんだ。うみゅ。

◇バナナは通常、皮をむいてそのまま食べていく。かすみが高校の時に参加した、テーブルマナー教室では、ナイフとフォークで華麗にバナナを食べる事を義務づけられたが、その後ナイフなどを使用した事はとんとない。恐らく、格式張った席で、バナナを出すという事は無いのではないかと思う。結局の所、現在の二本ではバナナは体に良い、安価な、お気軽な食品の地位を与えられているのではないだろうか。それに皮を取って放置したらば変色するしね。

◇そんなこんなで、じっちゃんの影響を色濃く受け継いだ父は、毎日一本バナナ主義を貫いている。蛇足ではあるが、他に、毎日一本ヤクルトも飲んでいる。バナナは常に補充され、バナナの無い日など数えるほどしか無い。無くなる前に、新規購入、そんなサイクルが出来上がっている。

◇にしても、毎日バナナを食べている父はバナナに飽きるという事はないのだろうか?答えは飽きない、という事らしい。だってそう断言していたもん。例えば、父が寝ていると、突然バナナの幽霊が出現、これ以降父がバナナを食せば呪う、とか言い出して、その呪いの内容がフィリピンのバナナ農園のバナナの木に吊るす、とか、某米の国のアントン牧場の木に吊るすとかいうのであれば止めるかも知れない。B級、ホラー映画レベルで1人でトイレに行けない人だし。あ、でもアントンだったらファンだからいっそ吊るされるを選ぶかも知れないな、いち、にい、さん、だぁ!

◇で、現在バナナに飽きた(子供に毎日食べさせるのはいけない。大人になる頃には飽きる。これは沙羅家の場合100%そうなった)子供の代わりに、わんこを一緒に毎日バナナを食べるという生活を行っている。「バナナ、美味しいねぇ」と犬に語りかける父を見ていると、何となくぼけたじいさんを見ている様な気がしないでもない。

◇ただ、かすみは父に止めて欲しい事が一つある。いくら肥料になるからといって、庭にぽいぽいバナナの皮を捨てるのは止めていただきたい。一日に2〜3本のバナナの皮を捨てられた庭は、上空(バルコニー)から見ると黄色のぶちが出来ている。もしかすると、誰かが往年の笑いの基本、バナナずっこけをするかも知れない。バナナずっこけは本当に危険なので、バナナの皮はNOぽい捨てで行っていただきたい、のだ。

教訓:バナナはカリウムを含み、体に良い。さらに安価で素晴らしい。


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