かすみ荘 - 父とわたくし:だから危ないって言ったのに
[もどりゅ]

ACT051:父と50(60)肩(2001.12.06)


◇人間というものは、歳を経ていけば自然と老化していくものである。父ももう61歳。赤いちゃんちゃんこはまだ着せていないが、もう、いい歳なのである。江戸時代であれば、ご隠居などと言われてみたり、越後でちりめん問屋をプロデュースしてみたり、うっかりだとかいう役を誰にも譲れなくて困ってしまったりしていたであろう。

◇凄いね、高橋源太郎さん。素敵だ、高橋源太郎さん。ご隠居よりも、実年齢が上だぞ、高橋源太郎さん。

◇そんな爺様の父の目下の悩みであるが、腕が上がらないという事に尽きる様子。本人曰く50肩。50歳を過ぎると体が堅くなり、電車でつり革を掴めないなどという事になるらしい。父よ、どうでも良いのだが、50肩、50肩と主張するのは止めて下さい。今、堅くなってきたから若いと主張したのであれば、言って下さって構いません。

◇つり革を掴めないのなら、手すりを掴まなければ良いのよ。と、いう訳にはいかないので、父は肩を回復させる方法を探っていた。仕事が休みの日には、午後は丸丸でミノモンタン教に傾倒し、毎週欠かさず、すぱすぱ人間、あるある辞典を鑑賞、健康雑誌を何冊も購入してしまう父なのである。

◇結局、父の発見した効果的な治療方法は、?ペットボトルを振る?という原始的な方法であった。

◇500mlのペットボトルを片手で持って、反対側の手で椅子の背中を掴む。のち、ぶんぶんと振り子の様に腕を振るのである。普段使いしない筋肉を使うこの運動、皆様もぜひ、と書いた所で、果たして50肩をわずらっている方がこのサイトをご覧になっているかと聞かれると何とも言えない。

◇そんなこんなで今日も景気良くペットボトルを振っていたのである。ので、父が変わった事をやりだしたものだから、いつもの如く、事件が起こったのだ。

◇かすみはぼけーっとテレビでニュースを見ていた。母は台所にいたのである。そんな中、一心不乱にペットボトルをぶんまわす父。急に?ごすっ!?っという鈍い音とともに、「きゅう〜〜〜〜ん」という哀しい悲鳴が。

◇次の瞬間、父のいた方から我が家のわんこのでかい方。茶色の雑種犬ごたが吹っ飛んで来た。そのままかすみの後ろの廻りこんでちいさくなる。僕、ちいさくちいさくちいさくなぁれ、とこれでもかと言うくらいちいさくなるごた。

◇ペットボトルを振り回す父の姿は、遊んでいる様に見えたのだと思う。ごたわんこスコープからは。なので、喜んで後ろから飛びついたごただったのだけれど、そこに父の振り回すぺっとボトルが。ボトル、ごたのおでこにクリーンヒット。

◇その後、可愛い息子であるごたに逃げられ続ける父。ちょっと後姿が寂しそうだ。

◇にしても、どうして父はいつも寸劇の様な事件を起こすのであろうか。謎で仕方が無い。

教訓:周囲に危険が及びそうな事をする時は、必ず周囲に注意する事。


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