かすみ荘 - 父とわたくし:やっぱり本場
[もどりゅ]

ACT054:父と台湾バナナ(2002.01.24)


◇ちょっと前まで、父は海外旅行を倦厭していた。日本は良い国で、何と言っても日本語が通じる、などと訳のわからない事を言い倒し、旅行は国内と主張していたのだが21世紀に入ってから海外旅行も良いもんだと認識を新たにしたという。流石21世紀。かすみが子供の頃に読んだ本には21世紀にはTV電話が出来たり、リニアモーターカーが空中を張り巡らされたチューブの中を飛んだり、アトムが出来たり、21世紀梨の新種が22世紀梨になったりしていたが、・・・嘘です、22世紀梨は見ていません。

◇そんな父がこの度、台湾に行ったのです。かすみは台湾を中国の一部だと思っていなかったのですが、お土産の表示が漢字で、値段が元となっていたので「ふーん、台湾って中国の属国なのね」などとほざいて父にばかにされてみたり。台湾は中国の中心〜(インプット中)

◇今回の台湾のメインの目的は故宮博物館だそうで、出発前からじぇいてぃびぃから貰った博物館スペシャルパンフレットを毎日毎日、閑さえあれば開いていた父。意気揚揚と我が家の愛車いぷぅに乗り込んだ。「いってらっしゃ〜い」というかすみに一言「早く仕事に行け」と窓を開けて言い放つ。父よ、3泊4日の間、我が家を守る人間にかような事を言ってはいけない。

◇その後、ごうごういぷぅ号は母の姉夫婦を拾って、成田に走る。駐車場は父が電話予約をしたという事件にも匹敵する出来事で抑えてあるのだ。が、実はその予約後にかすみが職場の厚生の駐車場予約で取ると千円弱安くなるという事が判明。母に電話をかけて、安い料金にしてぇ、と言わせようとして断られるという事態が起きていた。誰だって予約した後の値下げ交渉は嫌なのに、「俺、嫌だからかけてよ」と堂々と言う辺り父だ。「自分でかけてよ」「俺は予約したから俺の仕事は終わりだ」何だそれは。結局電話はかけず、料金は一般のまま。

◇成田で飛行機に乗って一路中国へ。父は中国には一度行っているので、堂々とした様子。ふんふんと鼻歌を歌い、一緒にいる母が恥ずかしくなったとか。とはいえ伯父伯母は全く気にしていなかった様子。まあ、妹の旦那の奇行をあからさまに悪くは言わないだろうし、ねぇ。

◇さて、現地添乗員さんと合流して、いざ観光と言う所で父は騒ぎ出した。「免許が無い」と。

◇もちろん父は免許を所得している。普通の乗用車が運転出来るもので、免許取りたての時にかすみを乗せて町内で迷子になった事があるくらいぐれぇとな運転手である。今日だって家から成田まで華麗なドライビングテクニックを見せ付けたばかりである。しかも、気の利かない(と父が思っている)母のナビにも敏感に反応し、文句を垂れながらも見事な車庫入れを決めた父なのである。免許が無いとは、免許が行方不明、という事なのである。

◇もしも、普通の感覚の人が免許を紛失してしまったらどうするであろうか。恐らく、かなり探してから状況によっては警察に連絡する事であろう。が、父はそれくらいの事にはびくともしない大(たわけ)物なのである。どうせ空港か車の中にでもあるだろ、などとほざいて、母を驚嘆せしめた。いくら写真がついているとはいえ身分証明書を無くしても大上段な父。元公務員とは思えない行政に対する奔放さ。普段は細かいのに、こういう事にはいい加減な男。

◇父曰く、乗る時には持っていたのだから、車内にあるはずであろう、との事。心配になった母が自宅に電話をしようと思ったが、娘二人は職場に行っているのだから、かけても仕方がないと思い直し、夜にでもと思ったが、夜は夜で父トークが炸裂し、気がついた時には日本は真夜中になっていたのだそうな。

◇翌日、朝からかすみに電話がかかり、念の為父が普段免許証を入れている引き出しを見てくれ、母が言う。引き出しを開ければそこに燦然と放置されている父のゴールド免許。・・・。駄目だよ、父。「家に免許あったって」「え?そっかー。俺もそうだと思ってたんだよな」思ってません。「もしもし、かすみか、悪いな朝から」本当だよ。「お母さんが必要以上に心配するからさ」私はあなたが心配です。「それじゃね」がちゃ。つー。つー。つー。

◇旅を終わらせ、家に帰ってきた後、すぐに父が大騒ぎを始めた。
 「今度は何が無いの?」
 「飛行機の搭乗券の半券。あれが無いとマイルが貯まらないんだよ、マイルが」
 お母さんは貴方が貯まらないのではないかと思います。その後、半券探しは
時間くらい続き、のちに発見された半券は父の手によってファンヒーターの上に置かれているのを母が発見した。もちろん、1時間大騒ぎした謝罪も無く「俺も変な所に置いたよなぁ」と自分の行動に感心。

◇で、何が良かった?と聞いた問いに
 「電車の駅で現地のおばさんがバナナをくれたんだ。日本人が好きだって言って。そのバナナが美味しかった」

◇父よ、貴方は何を見に行ったのですか?重要文化財を見るといきまいていましたね。が、何でバナナなのですか。そして父よ、何故家に帰って来てすぐに、お茶も飲まずにバナナを食べているのですか?日中バナナ対決なのですか?

教訓:バナナは高級品だからね

<訂正差し替えとその理由>
訂正:台湾は中国の中心→台湾は中国籍の島
理由:kasumi父に騙されました。台湾は中国の中心、北京を含む台湾州であると父がkasumiに説明した。が、翌日、kasumiがその事を言うと「何言ってるんだよ。台湾は島だよ」なぞと言ってkasumiをバカにするのでありました。父よ、あんたを信じた娘に何と言う仕打ちをなさるかな、この、バカ父がぁ。


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