かすみ荘 - 父とわたくし:年寄りは結構自分の話が多いぞ。
[もどりゅ]

ACT059:父と母の姉兄新年会(2002.03.22)


◇新年会、だったのである。これを書いているのも、実際に会を行ったのも、3月であるが、一応母の姉兄が集まって新年を祝うのは今年最初なので、新年会で通用するのだそうな。この新年会、母の姉兄で毎年やっているもので、毎年持ち回りで当番になって開催するルールになっている。

◇母の姉兄は上から、姉、姉、兄、兄、母、となっており、一番上の姉と母の歳の差は、kasumiと母の年齢差より大きい。各自が配偶者を連れての参加なので、もてなす側を含めて10人の大所帯である。ただし、今回長男が入院の為、その息子(ただし戸籍上祖母の養子)が代わりに参加した。長男のお嫁さん(kasumiの伯母ですね)は介護の為欠席。総計9人の会である。

◇その日、kasumiは朝からたたき起こされた。朝からといっても気持ちよくNHKの朝ドラほんまもんを見てからの二度寝なので、文句は言えない。関係無いが、ほんまもんの主人公は異常にわがままではないか。しかも、周囲が盛り上げてくれまくりだし。ほんまもんは置いておいて、とにかくたたき起こされて、父と一緒に阪急デパートに行け、と指示される。父、お使い一人で出来ないもん、らしい。その道々、ついつい口を滑らし、今日の為にkasumiが梱包して溜め込んでおいた古本の内、目立つ場所に置いた分しか処分していない事を言ってしまい、父、ご機嫌斜めに。「俺の家が物置になる」とぶつぶつ言う。が、デパートに着いた時は機嫌が直っていた。片付能力の欠如した娘を追い詰めるのは良くない、のだそうな。ありがとうテレビのADHD特集。

◇kasumiが店の名前を聞いても答えず、「膾(なます)」と呟きながらどんどん歩く父。別の売り場を「ショートカットするぞ」と得意そうに言う父。どんどん歩いたその先は、京懐石弁当のお店であった。なるほろ、これなら下手に家で料理を作るより面倒が無いし、失敗無い。すると父が大きな声で、
 「後、膾一つ!」
と言った。どうやら作るのに手間が必要な膾を買ってくる様にと、母から言い付かっていたらしい。どうでも良いが父よ、昔話のバカ婿みたいに「膾、膾」言いながら歩くのは止めていただきたい。話の中ではバカ婿が「団子」と言いながら歩いているのだが、途中で「どっこいしょ」と言った為に「どっこいしょおくれ」と頼む事になってしまっている。流石にそれは無いだろうが、見ていて恐いです。

◇父が膾の代金を払っていると、母からkasumiに電話が入った。「冷えた瓶ビールを5本買って来て〜」いやさ、あいあい、了解である。「お父さん、お母さんが瓶ビール5本欲しいって」「わかった」と、さくさく歩き出す父。待てや、こら。「阪急では売っていないと思うから、帰り道の酒屋で買って来てって」と、言っているにも関わらず、冷やしたワインコーナーを物色する父。根本的に間違っている。

◇「無い!」と言い放つと、すたすたと駐車場へ向かおうとして、反対方向に歩き出す父。「お父さん、違うよ、駐車場はこっち」「あ、そうか、エスカレーターが行きと違うんだな。そう言う事は早く言え」・・・。早く気づけ、父よ。我が家のいぷさむ号に乗り込み出発。ビールも購入し、帰宅。kasumiは母に捕獲され、父はふらりとやって来て、「箸、並べといたから」「あ、はい」「ちゃんと並べといたから」「はい、ご苦労様」「散歩してくる」と、旅立ってしまう。どうやら箸を置く、というのはとてつもなく偉大な仕事だったらしい。万民よありがたがれ、我が自ら食事に不可欠な箸を置きたもうた事を。

◇予定時刻の10分前に帰宅した父。庭に出て伯父や伯母を迎える作戦に出たらしい。我が家は新年会当日、梅、水仙、椿、アネモネなどが咲いていて、その中に一人佇む父。何やら映画のワンシーンの様である。さすが、心は少年。

◇この後、皆揃って大騒ぎ、となるのだが、kasumiはその間に食器洗い6割、何やら老人の自慢話の聞き役3割、食卓の上の整理1割の割合でいた為、父がどうであったかあまり覚えていない。ただ、後で聞いた話であるが、会の始めに父がした、開会の挨拶(正味3分程度)の為に、父は徹夜していたらしい。母の姉兄の前で失敗しないように、しないように、と言葉を組替えたり練習していたら朝が来てしまったのだそうな。格好を気にする父ならではの徹夜である。

教訓:忘れそうなものは言葉として口にしていれば防止出来る。


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