かすみ荘 - 父とわたくし:少しは疑え。
[もどりゅ]

ACT069:父と忠犬剛太(2002.07.01)


◇我が家のわんこ、剛太君(牡、3歳)は父が大好きなのだ。父は休みの日や、遅番の日の午前には、父のお気に入りの我が家のジャングルの手入れをする。その際、剛太は庭に出してもらえる。しかも、リードも何も無いので、好き勝手に庭で遊ぶ事が出来るのだ。だから、剛太は父が大好きなのだ。

◇そんな剛太であるからして、父を全面的に信じている。忠犬ごたこうなのだ。ので、ちょっとしたコンビニへの買い物にも、父は剛太を連れて行く。外に出る時はリードも鑑札もつけている。もしも迷子になったり、興奮して人に飛びかかったりしではいけないからだ。その日も、父と仲良く連れ立って、剛太はコンビニに出かけて行ったそうである。

◇剛太はわんこであるからして、コンビニには入れない。父が?ゴング?を立ち読みし、?ファイト?を購入している間は、コンビニの前の柵にリードを括り付けられて、良い子で待っている。ちゃんとお座りをして、人が近づいてきても大人しくしているのだ。父は、いつもの如くゴングを立ち読みし、ファイト抱え、健康に良いヨーグルトを持ってお金を払う。そして、華麗にコンビニを後にした。

◇さて、父が何となく消失感を抱いたのは、コンビニからの直線を右折し、さらにしばらく歩いてからであった。何か、何かが、足りない。右手にはコンビニのビニール袋。左手にはお財布。・・・。

父、犬を忘れる。

◇愛犬である。愛犬元気である。決して父が剛太を蔑ろにしていた訳では無い。それどころか、弟の名前と、犬の名前を取り違えるなどと言う微笑ましい駄目飼い主っぷりを披露している事もあるのだ。にも関わらず、剛太をコンビニの店頭に置いて来てしまったのだ。哀れ剛太。きっと良い子で待っていたのであろう。父が逆方向に歩き出しても、吠えもしないで、きっと用があるから向うに行っちゃったんだ。後で戻って来てくれる。などと思っていたのではないか。父の頭から剛太の事はすっぽ抜けていたにも関わらず。

◇父も幾分慌てたのであるが、格好付ける事に重きを置く父である。そのままストレートに迎えに行くと、犬を忘れた事をバイトの方々に見破られるかも知れないなどと、つまらない想定をして、わざわざ迂回路を通り、反対側から剛太を救出してと言うのだ。救出、と言っても、剛太を窮地に置いたのは父であり、どう考えても救出ではなく当然のお迎えではないか。

◇父曰く、ファイトの内容が面白かったのがいけないという。ファイトは関係無いのではないか、父よ。ファイトが面白いと、忘れ物をするのか、父よ。剛太は犬なので、一応占有離脱物となるわけであるが、今度は遊びに来た孫(うり赤ちゃん。仮名瓜ちゃん)を何処かに置き忘れた場合、迷子になってしまう。しかも、瓜ちゃんは赤ちゃんなので、大人しくお座りしているとは思えない。這って何処かに行ってしまうのではないか。

◇電車に傘を忘れるのと同じくらいお気軽にわんこを忘れて来た父。次は何を忘れてくるのか。母の心中を考えるとちょっと哀しい。

教訓:面白い事があったらば身の回りに注意せよ。


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