かすみ荘 - 父とわたくし:さらに姉娘より妹娘優先
[もどりゅ]

ACT074:父とドライブ(2002.12.13)


◇雨が降る休日に、我が家の父は嬉々としはじめる。休日といっても、父の仕事の無い平日の話で、嬉々とするといっても、ケロケロと鳴きだす訳でもないし、怪奇蛙人間という訳ではない。さらに強調するならば、深き者でもないし、おたまじゃくし人間でも、河童でもない、念の為。

◇嘱託と言う立場である父は、一週間の出勤日が3日ほどであり、そのうちの半分が遅番といって昼ちょっと前に出勤する。で、あるから、最近は毎朝大概家にいて、満天を見たり、ちょっちゃんを見たりしている。NHK、折角受信料を払っているのだから、がんがん見ねば損である。

◇そんな父の楽しみの一つに、雨の日に娘を車で駅まで送ると言うものが出来た。父曰く、ドライブデェトなのだそうな。娘とのドライブデェト、そんなに楽しいものであろうか。
 「楽しいな楽しいな〜」
 楽しいらしい。
 「可愛い娘とでぇと〜」
 可愛いらしい。
 「お父さんは可愛い娘が二人もいて幸せだ〜」
 幸せらしい。

◇先日の休日に、kasumiが出かける準備をしていると、
 「あれ?どこかいくのか?」
 「うん、そう」
 「雨だ、雨だぞ、雨なのにでかけるのか?」
と、軽快な、しかし胡乱な動きをしながら問い掛けてきた。
 「出かけます」
 「そっかー。よしわかった、お父さんが駅まで送ってあげよう」
 「いいよ。今日は仕事じゃないから」
 「遠慮するな。どうせ15分もかからないし、これからお母さんも出かけちゃうしな。お父さん暇だから」
暇ですか、父よ。

◇ふんふんと鼻歌を歌いながら自動車の鍵を取り出す父。
 「いや、お父さん困っちゃうなー。kasumiも駅まで位自分で行かなきゃな〜」
父よ、いいといったのに送るといったのは貴方です。貴方の考えは破綻しています。

◇と、その時、おしゃれな格好をした母が現れた。
 「あら、kasumiちゃん送ってくの?」
 「そう。頼りになるお父さんだから」
 「ふーん、じゃあ私はバスで駅まで行こう」
父の動きが止まった。
 「kasumiと同じ駅じゃないのか?」
 「違う」
父は、kasumiの方にぎぎっと首を向けた。はいはい、わかってますって。
 「じゃあ、お母さん乗せていって下さい。わたくしはバスに乗ります」
 「うん、そうしてくれ。いや、残念だな。でもほら、お母さん愛してるし」
父よ、娘は頭が痛いです。

教訓:夫婦円満のコツは子供より妻を大切にする事。


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