かすみ荘 - 父とわたくし:やはり中身は歳相応?
[もどりゅ]

ACT080:父と健康診断(2005.07.08)

◇父である。暑いのにぴちぴちと元気そうな父である。梅雨の湿気にも負けない父である。

◇先日、ぽちぞうを連れて買い物ついでに実家に顔を出すと、母のお兄さんとその奥さん、あちきの伯父さんと伯母さんが遊びにいらっしゃっていた。父は、お二人の微妙に迷惑そうな態度などものともせず、自慢のバナナと黒砂糖入り黒酢を勧めていたらしい。父よ、それバナナが溶けてやばい見てくれになっていますが。

◇伯父さんと伯母さんは何とか父の魔の手から逃れ、帰宅されたのだけれど、私はピンチのままです。そんな飲み物は嫌です。もきー。と騒いでいると、父が、
 「悪いけど、お父さんとお母さんはちょっと出かけるから留守をよろしく」
と言う。気軽に言ってくれるが、私には乳児がおりますが?
 「大丈夫、すぐそこのケアプラザだから。骨密度測りに行くんだ〜」
どうやら浮かれ模様らしい。今日は公共福祉を行っているケアプラザに医療関係者や医療機器を用意して、健康診断をするらしい。さらに申し込んだ人は骨密度の検査が出来るそうで、健康大好きの父は今日と言う日をわくわくして待っていたらしい。
 「kasumiがいれば、犬も安心だしな〜」
激しく浮かれながら、父は母を急かしながら出かけて行った。

◇さて、しばらく息子と犬をからかっていると、父だけ一人で帰って来た。仲良し夫婦なのに、父だけとはこれ如何に?
 「お母さんは?」
 「お母さんはお友達と喋っていて、長くなりそうだから置いて来た。そんな事よりもお父さんはもう駄目なのだ」
 「何で?何か病気でも見つかったの?」
 「お父さん、丈夫だと思ってたんだよ。なのに、骨密度が低かったんだ。もう駄目だ。寝る」
骨密度が低かった為に、この世の終わりの様な顔をしていたのですね。父はもう歳なので、骨密度が低くても仕方が無いのだろうけれど、本人は若い人並の数値が出ると思っていたらしい。その自信は何処からやって来るのですか?

◇ふらふらとリビングを出て行く、と思ったら、足を止め、くるっと振り返り、
 「だけどな、血圧でお母さんに勝ったから」
 「お母さんどうしたの?」
 「秘密。お母さんの事はお母さんから聞いて」
血圧で勝つってどういう事ですか?しかも何故笑顔ですか?
 1:母の血圧が父のそれより数値が上だった(不健康:母>父)
 2:母の血圧が父のそれより数値が下だった(数の多寡:父>母)

◇さて、母が帰って来て話しを聞くと、母の血圧は医者に行くべきである数値まで高くなっており、明日にでも病院で診察を受けると言う。父よ、貴方の大切な母が病院に行かなくてはならないのに、何で笑顔だったのですか?どうやら父は、自分の数値がよろしくなかったので、もっと不健康で病院にかからなくてはいけない母という比較対象がいて、嬉しかったらしい。ええと、それは、五十歩百歩ですか?

◇お茶に下りて来た父と、骨の形成とカルシウムとビタミンDの関係の話しをひとしきりしたが、最後まで首をひねっていた。どうしても納得がいかないらしい。ふと、私の脳裏によぎったのは、かつて私を蹴飛ばして、足の甲の骨にひびが入ってしまった事。も、もしかして父は骨が元々強くないのでは?し、しかし、この事を口に出しては家族の平穏が破られてしまう。私は言葉を飲み込み、実家を後にした。

教訓:骨は若いうちに丈夫にしておくべきだ。

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