かすみ荘 - 父とパソコン:均等に割りつけせよ
[もどりゅ]

ACT009:均等に割り付けせよ(2001.03.29)


・その人の名は斎藤潤一郎さん(仮名)といった。

・父の務めていたスポーツセンターも今月で退職なので、引き継ぎ書を作成しているのである。引継ぎ書といっても、A4で5ページ、一枚目は表紙という簡素なもの。たいした作業でないどころか、30分もいらんだろ、と突っ込みたくなるくらいの文章だったりする。こいつを数日間延々と作成しているのだが、まぁ、それは仕方が無い。今までやった事も無い人間が、いきなりフォームポジションに指を置き、ブラインドタッチをやられでもしてしまったら、こちとらの立場が無くなってしまう。

・さて、イベントを明日に控え、またしてもぺたしぺたしとカラーイラストを作成している時にやつはやって来た。今度はちゃんとPDSデータを保管して様子を見に行く。前と同じ様な目に合うのはもう勘弁なのだ。

・先日、FDに入れてプリントアウトした文書に、赤入れしたものを横に並べながら画面を指差す父。

「均等割付が出来ないぞ。ワープロなら出来たのに」

・いい加減ワープロと比較するのは止めて下さい。ちゃんと割り付け機能くらい付いてます。とはいえ父がやりたがっている割付は文字数の異なる2行を同じ割付にしたいという事で、かすみのやった事の無い機能である。その旨を伝えた瞬間、

「じゃあ出来ないんだ。かすみが出来ないのに他にわかる人いないもんな」

と、抜かしやがるのであった。

・余りにも早計ではないだろうか。そんな時の為に、50代からのパソコンの本があるのだ。調べてみよう。均等割付、均等割付、おお、あった。すばらしいぞ、図解付で解り易い、流石50代からのパソコン教本。おまえ天才だねぇ、秀才だねぇ、見直したよ。ってなにをだよドロンジョ。

「わかったわかった、先ずね(説明)、あー駄目だって、まだ全部言って無いから、そじゃなくて、ええと、だから、こうして(やってみせる)こう」

「おお、すごいな。見てみろ(母にゆってる)、パソコンってすごいな」

「はいはい(かなりうっとうしそうだ)」

「ほらほら、な、すごいな、すごいだろ」

・斎藤潤一郎さん(仮名)、貴方はどうして5文字もある名前をお持ちなのですか?かすみの父は3文字です。これのおかげで均等割付の実験に30分以上付き合わされました。とはいえ、この父から引継ぎをする事についてはお悔やみ申し上げます。


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